バイオベンティングが汚染土壌中の微生物およびガスの挙動に及ぼす影響

汚染土壌を現場で安価に浄化する技術として、土着の微生物に栄養塩や酸素を与えて活性化させ、汚染物質の分解を促すバイオレメディエーションがある。なかでも、現場に井戸を掘り、空気を送りこむ手法をバイオベンティングという。
欧米では、この技術が実用的に利用され、実施前のシミュレーション手法の開発も進んでいる。しかし、それらは砂質の土壌を用いたものが多く、わが国に広く存在する火山灰土に関しての報告は少ない。また、土壌のガス移動に関して、拡散に焦点をあてたものは多いが、強制的な通気や微生物の活性を中心に扱ったものは少ない。
そこで、本研究では、(1) 豊浦砂および火山灰土を用いて、微生物活動による汚染物質(軽油)の除去効率の違いを確かめること[バッチ試験]、(2) 強制的な通気が、汚染物質の除去や微生物活動に及ぼす影響を明らかにすること[カラム試験]を目的として実験を行なった。