土壌消毒が土壌微生物群集に及ぼす影響

（土壌消毒後の土壌機能の回復に及ぼす有機物連用の効果）

土壌消毒（消毒剤を土壌中にかん注し、土壌中の病害虫を殺す作業）が有機物分解能や硝化能といった土壌機能や、その主要な担い手である土壌微生物群集にどのような影響を及ぼすのか。また、その影響が有機物連用の有無によってどのように異なるのかを明らかにすることで、土壌機能の維持と土壌消毒による土壌病害の防除を両立し、食料の安定供給、持続的作物生産のための有用な情報の提供が本研究の目的です。

　　有機物連用履歴のある土壌と無い土壌を用いて、消毒後の土壌の有機物分解能、微生物群集構造や硝化菌数、バイオマス等を測定し、結果を比較しました。結果は歴然で、有機物連用履歴のある土壌のほうが、土壌消毒による影響が小さいことがわかりました。またそれらの結果をもとに、有機物連用によって何故影響が小さくなるのかについても少し考察してみました。