農業土木学会誌,pp.1025-1027(1997)

WWWを利用した学会講演要旨の自動登録・検索システムの試作

Trial of Auto Registration and Search System on WWW for Annual Meeting Abstract

三重大学生物資源学部 溝口勝


T.はじめに
 インターネットの爆発的な普及に伴い、WWW(World Wide Web)がコミニュケーションの方法を変えつつある。WWWはこれまでのコミニュケーションツールとは異なり、適当なプログラムを用いることで容易に双方向の情報交換を可能にする。筆者はこのWWWの特長に着目し、学会年次大会の講演要旨に関する「自動登録と検索のページ」を過去2年にわたって試作公開してきた。試作公開の結果、このページも技術的にはほぼ実用化のレベルに達したと思われる。そこで本報告では、「学会講演要旨の自動登録・検索システム」の簡単な利用法と将来展望について述べる。

U.利用方法
1. 学会ホームページに接続
 インターネットに接続されたコンピュータでWWWブラウザ(ネットスケープやインターネットエクスプローラなど)を起動し、農業土木学会のホームページにアクセスする。 農業土木学会の公式ホームページ(監修・管理:資料・情報委員会): http://www.jsidre.or.jp/ 2. 自動登録・検索システムのページを開く 学会のトップページ中の「定期大会」を選択し、さらに「農業土木学会97(藤沢)」を選択する。(図-1)

図-1 農業土木学会のホームページ

3. メニューの選択
 「インターネットセッションへようこそ」(図-2)のページには4つのメニューが用意してある。

図-2 インターネットセッションのメニュー

(1)登録一覧: 自動登録(投稿)者のリスト
 自主登録した者の名前と講演タイトルがリアルタイムで表示される。

(2)検索(図-3): 登録された講演要旨データベースからのキーワード検索
中央の「入力窓」に検索文字を入力し、その下にある「検索開始」のボタンを押すと、登録された全データの中から検索文字に一致するデータが表示される(図-4)。

図-3 データ検索のページ   図-4 検索結果の表示

(3)登録(図-5): 自動登録の用紙
学会講演要旨の投稿表が表示されたら、指示に従って発表者氏名・発表タイトル・発表希望分野・キーワード・発表要旨を順に入力する。発表要旨はワープロで作成しておいた改行なしの文章をコピー&ペーストすると良い。登録内容に間違いがないことを確認した後、画面一番下にある「登録する」のボタンを押す。なお、文字入力でカタカナ半角文字を使うと正しく登録されないので注意されたい。

図-5 自動登録のページ

(4)アクセス状況(図-6): 検索ページ利用者の統計
 検索ページにアクセスした人数の日変化が表示される。横軸の数字は各月の日を表す。

図-6 アクセス状況

V.システムのしくみ
 本システムの形態はクライアント・サーバ・モデルで、OSはパソコン(Pentium/133MHz)にインストールされたLinuxである。この特長は各ユーザからの情報を1つのサーバで集中管理できることである。
 ユーザとのインターフェイスにはCGI、検索にはawk、グラフ表示にはgnuplotを用いている。これらのほとんどはフリーソフトである。民間プロバイダのインターネットサービスが普及してきた昨今の状況を考えれば、UNIXの勉強を多少するだけで誰もが比較的簡単かつ低廉価で同様のシステムを構築できよう。
 なお、システム構築に用いているプログラム等は別の機会に公開する予定である。

W.おわりに
 本システムは未来の学会開催方法を追求する目的で、96年の農業土木学会(山形)の時に試験公開を始めた。このシステムを有効に利用すれば、現在実施されている 1.フロッピィー提出(講演申込者) 2.データ入力(学会事務局) 3.講演プログラム表作成(学会運営委員会) 4.講演プログラム表印刷(学会事務局) 5.講演プログラム郵送(学会事務局) の作業のうちかなりの部分を簡略化できるであろう。
 また、今年7月から学会論文集の投稿方法が変更されたこと、および各社のワープロソフトにHTMLやPDF形式の出力機能が標準化されてきていること等を考えれば、HTML形式の講演要旨を回収することによって学会講演要旨集そのものをサーバ上に自動構築することも可能である。
 このようにWWWの新しい利用法は学会運営のかなりの部分を合理化する道具となり得ると思われる。しかし学会組織が多様な会員で構成されることを考えると、こうした新システムを即時に導入することは難しかろう。したがって現時点では、若い学会員を中心にして10年後くらいの導入を目途(めど)に、学会組織運営のためのシステムを積極的に試行/改良していくのが望ましいかも知れない。
 いずれにしても、まだ利用されていない会員の方々に是非一度このシステムをお試し頂けたら幸いである。最後に過去2年間にわたりデータを提供下さった農業土木学会事務局の皆様をはじめ、私の試みをよく理解して自主登録に協力して下さった学会員の方々に感謝します。


農業土木学会誌,pp.1025-1027(1997)

WWWを利用した学会講演要旨の自動登録・検索システムの試作

三重大学生物資源学部 溝口勝

内容紹介:

インターネットの爆発的な普及に伴い、WWWがコミニュケーションの方法を変えつつある。WWWは適当なプログラムを用いることで容易に双方向の情報交換を可能にする。本報文ではこの特長に着目し、筆者が過去2年にわたって試作公開してきた学会年次大会の講演要旨に関する「自動登録と検索のページ」の利用法について述べる。また、WWWの新しい利用は将来的に学会運営のかなりの部分を合理化する道具となり得るが、現時点では若い学会員を中心にして10年後くらいの導入を目途に、システムを積極的に試行/改良していくのが望ましいことを主張する。できれば、まだ利用されていない会員の方々にも一度このシステムをお試し頂きたい。

キーワード: インターネット,WWW,検索,学会運営,情報