水分特性測定法 〜 吸引法 〜

教科書 p. 65-87

概要

水分特性測定法 (p.65 〜) には、吸引法、土柱法、加圧板法、サイクロメーター法 などがあり、測定する領域によって手法が使い分けられる (p.66 表 4.1)。 本実験では、その中の吸引法を元にした実験を行う。

準備物

  1. 試料:豊浦砂
  2. 袋 各班5個
  3. アクリルリング 高さ 2cm 直径 5cm × 16個/班
  4. ガラスフィルター、三方コック、ドリップポイント
  5. アルミ皿
  6. ビニールテープ
  7. ガラス棒
  8. 排水受け用バケツまたはビーカー
  9. 薬さじ
  10. スタンド
  11. 蒸発防止キャップ
  12. トレイ

手順

装置図

装置図

測定するサクションについて

各班で、以下の範囲のサクションについて測定を行う。4班で 10-100cm の範囲の測定を分担して行い、最終的にそのデータを あわせてひとつのグラフを作成する。隣あう班で重複する データが取れるため、データの信頼性を考察できる。

測定サクション範囲 (cm) h (cm)
1 10-40 10
2 30-60 30
3 50-80 50
4 70-100 70

土詰めと飽和

  1. 装置図のように、脱気したフィルターに水を満たし、高さ 2cm のリングを 16個、32cm 重ねたカラムを作成する。 試料は、この中に高さ 30cm まで充填し、一番上の 2cm 分のリングには 充填しない。 リングとリングは、テープで結合する。
  2. リング3つ(=6cm) 分ずつ、充填する砂の質量を計算して、袋に詰める。 充填する質量は、カラムの体積 × 充填乾燥密度から計算する。 ここで、豊浦砂の充填乾燥密度は 1.60 g/cm3とする。
  3. ガラス棒で突き固めながら、計量した試料を少しずつカラム内へ 落下させて、リング3つ分詰める。 充填は、水で飽和させながら行う(水中充填)。 土詰め中は、常に湛水しているように注意する。
  4. 3 を繰り返して、高さ 30cm 分の砂を充填する。
  5. 試料の一番上は、ガイドとなる一番上のリングをカットし、 表面が平になるようにする。 それから、ふたたびガイドとなる一番上のリングをテープで接着し、 さらに蒸発防止キャップをテープで接着する。

サクションをかける

  1. 各班、試料最下端から排水部までの距離が、測定するサクション範囲の 下限値となるように排水部を取り付ける。 すなわち、3班であれば 50〜80 cm の測定をするため、 試料最下端から 50cm 下の位置にドリップポイントがくるように 排水部を取り付ける。
  2. カラムの下に取り付けた三方コックを開き、排水を開始する。

解体と測定

  1. 一週間後に、カラムを解体する。
  2. 試料受け(カラム下端)の下のコックを閉める。 コックを閉めずに解体を始めると、下方から水が供給され、 正しい値が測定できないため、注意が必要である。
  3. 上端のリングから順番に試料を切り離す。
  4. 切り離した試料は、リングと一緒にアルミ皿に移し湿潤質量を測定する。
  5. アクリルリングに付着した試料をすべてアルミ皿に移してから 乾燥炉に入れて 24 時間 105°Cで乾燥させる。
  6. 取り除いたアクリルリングの質量を測定する。
  7. 24時間の炉乾後、乾燥質量を測定し、含水量、乾燥密度を測定する。

データの整理

  1. 各班で、与えられた範囲のサクションと乾燥密度、含水比、 体積含水率の値を計算する。
  2. 4班のデータをまとめて、豊浦砂の水分特性曲線を作成する。
  3. 土壌水分特性曲線の非線形回帰プログラム (http://purl.org/net/octave/) により、土壌水分特性パラメータを計算する。

今回の実験は、4班分のデータをまとめるため、以下の手順でデータをそろえる。

  1. 本日 カラムの充填と排水開始
  2. 一週間後 カラムの解体、炉乾開始
  3. 一週間後の翌日炉乾終了
  4. 二週間後各班のデータをデータシート1 (ダウンロード) に記入する。
    データシート2(ダウンロード) にすべての班のデータを1枚に書き込む。
  5. レポートは、三週間後提出。レポートには、自分の班のデータシート1と、 データシート2を提出する。

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