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授業では1,凍土が虫が穴を掘ることで溶けてしまうということ,2,凍土の考え方が他の星にも適用できること,3,農業機械が耕盤を作るということ,4,穴の堀り方,などのお話を興味深く感じましたが、なにより心に残ったのは「現地の篤農の人が深い知識を持っておられ、研究にも積極的に参加してくれる」というお話でした。農学はフィールドワークとして、観測や実験は勿論、現地の人の話を聞くことも重要であるということを知りました。ありがとうございました。
Tue, 04 Nov 2003 18:55:45
A.レポート1番に受け取りました。フィールド科学では、たとえ言葉が通じなくとも現地の人の話を聞くことが何よりも大切です。農学部に来てからもその気持ちを大切にして、更に深く学んでいって下さい。
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実は僕は、6月に農学部の一部の研究室を見学させてもらい、地水研も行ったんで溝口先生のことは知っていました。そのときはお菓子をご馳走になり、とてもフレンドリーで面白い先生だと思いました。今回授業を聞いてもやっぱり面白かったです。一回目の講義のミゾ族の話も、二回目の講義のMMWの話も。思わず笑ってしまいました。
具体的な話では、まず一回目の講義では、シベリアの永久凍土の話はまあそれなりに面白かったんですが、むしろ僕の心の中に残ったのは、フィールドワークの重要性の話でした。自分自身、将来研究職に就くとしても、研究室に閉じこもるよりは外に出て調査したいと思っていたので、嬉しいお言葉でした。体力やコミュニケーション力にはあまり自信はないですが。
二回目では、寒冷地(主に嬬恋村)における土壌の凍結融解過程の話でしたが、これは結構面白かったです。凍土層が下に残っているときに雪が融けるから土壌浸食が起きてしまうというのは初めて知りましたが納得できました。融雪剤を不均一に撒くことによって土壌浸食防止、地温上昇につながるというのはなかなか興味深い内容でした。
僕は環境問題が全般的に好きなので、今回の講義は結構面白かったです。将来の進路はまだ決まっていませんが、今後さらに興味がわいてくれば土壌の道へ進むかもしれません。面白い授業をありがとうございました。
Tue, 4 Nov 2003 20:07:57
A.地域環境工学に進学してからも積極的に学んで下さいね。期待しています。
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クリスマスには程遠いですが忘れないうちに。一番楽しかったのは、いろんなお手製器具が活躍していたところですね。結果オーライの発想は大好きです。本来、研究にしても普段の生活にしても今あるもので何とかしようとする所から工夫が生まれると思うのです。何でも買って済ませるという考えは外国では通じないかもしれないし。そういう工夫が求められ、認められる?農学部はすばらしい、と勝手に納得。特許目指してこれからもがんばってください。
Wed, 5 Nov 2003 01:09:34
A.
「結果オーライの発想」という表現は何となくノー天気のイメージがあるので私としてはあまり好きではありませんが、与えられた状況の中で的確に咄嗟の判断をして、その難局を乗り切るという意味でしたらOKです。農業というのは、まさに気象を含め刻一刻と変化する状況の中で判断してゆかねばならない総合的産業ですから、農学を学ぶ以上、そうした能力を身につけるよう努力して下さい。
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今まではほとんど課題になっている実験しかやったことがないので、早く自分で考えて自分の目的にあわせた実験・実習がやりたいと思いました。自分はもともと体を動かす作業が好きなので、フィールドワークはあこがれます。特にシベリアなどといった、いかにも「自分にとって未知」な場所は非常に興味があります。
凍土地帯特有のヒビや侵食など、自分の生活からは全く予想もつかないような問題でちょっとショックでした。
Wed, 5 Nov 2003 20:52:14
A.
課題になっている実験であっても常に自分で考えながらやる練習が大切です。そうした練習を積み重ねることによって未知の対象も料理できるようになるのです。いつかシベリアを通り越して火星に行けるよう頑張って下さい。
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溝口先生の講義は面白かったです。いろいろな意味で。先生はフィールドワークを専門にした先生の授業は総合文化研究科の長谷川先生の適応行動論以来2度目でしたが、やはり1枚1枚の現場の写真も、説得力が感じられました。
印象に残ったことといえば、1回目ではシベリア測量の話、2回目では炭を雪上に巻く融雪法です。もちろん他のお話もきいてはおりましたが(笑)。
僕はワンゲル部員で、トイレのない山中に何泊かすることもあるのですが(...と書けば、分かりますよね。共感しました)。
また、色を使った融雪法はコロンブスの卵でした。小学生でも知ってるようなことですが、なかなか現場であんな方法を思いつくものなのかなあなんて、感心してしまいました。
僕は実験系の学科に内定しておりまして、きっと将来も実験系に進むのだろうとは思ってますが、北朝鮮での農業復興など、先生の目標などを聞いていると、ああフィールドワークもいいな、なんて思ってしまいます。
方向性は違いますが僕もいつか誰かのためになるような、それでいて自分で夢中になれるような独自の研究なんてものが見つかったらなあなんて思います。ではこれからも頑張ってください。
Fri, 7 Nov 2003 01:20:04
A.実は私は最初からフィールド研究をしていたのではありません。大学院の頃は全くの実験屋で、数十センチのサイズで生じる土壌中の物質・熱移動現象を扱い、その現象を説明するためにコンピュータのシミュレーションモデルなども作りました。その後、粘土の分子レベルのミクロな現象にも興味を持ったこともあります。正直なところ、自分のモデルを使えば、フィールドの寒冷地土壌中移動現象は説明できる、とまで思ったこともあります。しかし、実際にシベリアのフィールドに立ってみると、全くその考えが間違っていることに気付かされたのです。なぜ”土壌圏”の研究が必要なのか、現実の土壌は生き物であり、無機的な物理モデルだけで記述するには限界があると感じたのです。ということで、今はフィールドそのものを実験室にする工夫をしながら、フィールドで起こる現象をありのままに理解し、そこに問題があれば、僅かな工夫で問題解決を図る技術につなげてゆきたいと考えている
のです。
http://www.a.u-tokyo.ac.jp/21cpdf/a182.pdf
- シナリオ駆動型のアプローチは、未然に防ぐという従来のアプローチとは全く別の見方で、興味深かったです。いろんな角度からものごとを考えれる人になりたいです。
Tue, 11 Nov 2003 12:01:36
A.工学、理学、農学、・・・学。いろんな「学」がありますが、その方法論については実は定まっていないように思います。農学部に進学してからは、是非、自分にあった方法論(アプローチ)を探って下さい。
- 進降り先の内定し、4学期が始まり、農学部のシラバスを見て、「さあ、これからは勉強するぞ!でも、やっぱ、興味があることを学びたいな。」と思ってまっさきに履修を決めたのが本講義「土壌圏の科学」と「気象概論」でした。「生物化学」や「植物生理学」と言ったような駒場必修科目「生命科学基礎」の延長の科目ではない、「物質生命一般」のマニアック版のような授業内容を「土壌圏の科学」には期待して今も授業に臨んでいます。
実際今まで授業を受けてきた中でも「土壌圏の科学」は大当たりで、ほんとに毎回興味深い話を拝聴させていただいております。基礎的ではなく実際将来の役に立たないって言われたらそれまでですが、まだやりたい事がいっぱいある今の僕にとってはとても役に立っています。
溝口先生の授業を聞いて何より興味をかきたてられた事は、研究者とは、フィールドワークとは、という事でした。昔じいちゃんにいろんなところに連れてってもらっていた(新潟県の角田山、佐渡、寺泊漁港、越前浜など)を思い出しました。ただただ机に向かって数字や言葉と格闘するのは性にあわないので僕も将来溝口先生のような、自分で見て、聞いて、感じて、考える研究者になりたいです。MLWのような実際に役立つ手法を開発したいです(笑)
土壌圏の科学は実は水分と土がいかに密接かを考えさせられますね。非常に面白い授業をありがとうございました。
Sun, 16 Nov 2003 03:12:21
A.「じいちゃんにいろんなところに連れてってもらっていた」ことから得た経験が、実は君だけにしかできない一番のオリジナリルな研究を生み出す根元なのかも知れません。その経験に大学での知識を上手に共鳴させて下さい。
- 農学部がのほほんとしたことがわかる楽しい授業でした。フィールドワークに興味があり、特にシベリアの現地での体験は聞くことができてよかったです。
Mon, 17 Nov 2003 16:57:19
A.農学部が実際に「のほほん」としているのかどうかは意見の分かれるところ。私が授業で主張したかったのは、農学が効率優先に走るのではなく、「のほほん」と見えるけれど、自然をありのままに受け入れた無理のない学問体系であってほしいということです。
- それまで他の先生は、来るなり授業を展開していたのですが、溝口先生は、いきなりクリスマスプレゼントの募集をしたり、ホームページから始まった奇妙な話などを展開して最初から面白く授業を聞くことができました。授業も大変わかりやすく、初めて土壌関係の授業を受けた私としてはとても聞き易かったです。ではよいクリスマスを。
Tue, 25 Nov 2003 16:38:03
A.学会講演などでもそうですが、聴衆が話を聞いてくれるかどうかは最初の数分で決まります。アメリカだと必ずジョークで笑わせ、そ
れから本論というパターンが多いようです。駒場のオムニバス授業にはこの方法は有効ですが、15回続くような授業には使えません。
- メールするのが遅れてしまいました。先生の授業があった日に送ればよかったのですが、学校から家まで帰る間に忘れてしまい、今日まですっかり忘れていました。思い出したきっかけは、鉄道路線図を見ていたときにふと東急田園都市線の溝ノ口という駅の名前が目に入ったからです。(^_^;)
授業とても楽しかったです。湿地でのメタンガス発生の話など、今までに聞いたことのない話がたくさん聞けて、参考になりました。ありがとうございました。
Fri, 28 Nov 2003 00:26:53
A.レポートを思い出してくれてありがとう。アイディアの素というのは、「溝ノ口-->溝口-->レポート」というように普段の生活の中に潜んでいます。だから常に何かを意識していれば、ひょんなことからその何かに関する解決の糸口が生まれたりします。良い経験をしましたね。
- 授業とても面白かったです。講義の内容ももちろん興味深かったのですが、やっぱり先生の研究、フィールドワークの経験談が一番おもしろかったですし参考になりました。なかでも、階段状に穴を掘るだとか、自分の体の一部を使って山の高さや距離をだいたい計れるということを聞いてなんだか感動しました。私はついついいつも机上の勉強におわってしまって、フィールドワークなどはめんどくさいものと思い込んでしまっていましたが、先生の講義を聞いて、フィールドワークでしか得られないものもたくさんあるのだということに気付きました。農学部で、せっかく自然を相手に研究するのですから、自分の目で見、体で感じることもとてもよい経験になると思うので、今後の学部の合宿などでも、精一杯学びたいと思いました。
楽しい授業をどうもありがとうございました!
Mon, 1 Dec 2003 20:24:52
A.せっかく農学部に進学したのですから、農学部でしか経験できないことをしっかりと身につけて下さい。他人と異なる経験をすればするほど「自分らしさ」が出てきます。今後も大いに頑張って下さい。
- 最初先生が講義を始められたとき、「やけにテンション高い人だなぁ」というのが私の先生に対する第一印象です。他の教官とはちょっと違う感じを持ちました。講義ではその研究内容をわかりやすく説明してくださり、5限という眠気を誘う時間にもかかわらず、ずっと興味深く講義に集中することができました。フィールドに出ての調査は私の憧れるところなので、その意味でも非常にためになる講義でした。
それと、先生が書かれた「土は地球の皮膚」の内容はとてもロマンチックで興味をそそられました。先生はお顔に似合わずロマンチストなんだなと思いました(すいません)。
ともあれ楽しい授業をありがとうございました。
Wed, 3 Dec 2003 15:42:5
A.そうなんです、意外にロマンティストなのです。だからこそ、人と異なることに魅力を感じるのかも知れません。
- 先生ほど気さくな感じの授業はうけたことがありませんでした。なんだか面白いなぁというのが正直な感想です。先生の放つオーラが親しみやすかったです。授業で印象に残ったのが、シベリアでの凍土の下の成分を調べる時に使っていた、先生お手製の実験器具が、ぼくが想像してたより意外と「チャチ」かったことです。原理を聞いてなるほどとは思いましたが、見た目にはそんなにすごいものとは思えなかった。でも近所の雑貨店からの材料で即席で実験道具を作り上げたと知り、さすがだなと思いました。これが研究者なのかとショックを受けました。
農学部に進むにあたり、多くの先生方に師事し、学問だけでなく、その先生の放つオーラや考え方、波動などを吸収したいと思いました。
Thu, 4 Dec 2003 16:47:18
A.シベリアではなく美唄湿原の実験器具ですね。シベリアのフィールド近くには雑貨店がありませんでしたので、その辺に落ちているアルミ製の電線を切ってペグにしたり、荷造りのためにおよその重量を知る必要があるときには棒切れと紐で計りを作ったりしたこともありました。でも、現地でとるデータに関しては、手製器具であってもそれなりにきちんと校正しています。
オーラとか波動とか、何やら妖しげな表現を使われると、何だかまるで私自身が妖しい人のような印象だったのかも知れませんが、私はいたってまじめに取り組んでいるつもりです。
- 農学主題科目らしい講義で大変面白かったです。「地球温暖化のセンサーとしてのシベリア凍土」という視点のプロジェクトが進行していることを知り、こういうことをやっていくのがこれからの学術研究の主流のひとつになっていくのかなと思いました。ツンドラでのフィールドワークのお話は、この先フィールドワークを中心においた研究ができればと考えている自分にとって大変ためになるもので、楽しくも真剣に聞かせていただきました。
楽しい講義ほんとにありがとうございました。
(ところで、フィールドワークでサハ共和国に行かれたようですが、口琴の演奏は聴けましたか?口琴奏者の私としては気になるところです(笑))
Mon, 8 Dec 2003 08:43:30
A.「口琴の演奏は聴けましたか?」
山小屋みたいなところに寝泊まりし、調査地を往復していただけだったので、残念ながら聴けませんでした。でも、地元の子供達とトランプをしながら、ヤクートを少し覚えました。
http://soil.en.a.u-tokyo.ac.jp/~mizo/photo/alas00/picture2/1781/photos/img0063.jpg
- 先生のお話では「フィールドワーク」の大切さや楽しさがもっともよく伝わってきました。実際にその土地に行って対応しなければならないこと、例えば道具の開発などがあり、発想において柔軟性が大切なのだなと思いました。でもだからこそ、机上で行う理論では味わうことのできない楽しさがあるのでしょうが。私もそんな世界に入ってみたいなと思います。授業については、聞いたことのある内容も多かったですが、「フィールドワーク」についての話をなさる先生はそう多くはないので、二回の講義を通して特にそのお話が特に印象に残りました。どうもありがとうございました。
Tue, 09 Dec 2003 13:08:30
A.フィールド研究は、成果が得にくいとか、論文になりにくいとかの理由で、敬遠されがちです。でも、だからこそ、する価値があるとも言えます。
- 先生の講義楽しく聞かせていただきました。印象に残っているのは飛行機のイヤフォンを使って地下水面の深度を測る話や、1メートルの土壌断面を観察するための地面の掘り方です。フィールドでは実験室内では思いもよらぬような障害があることは自分の少ない経験からでも想像できますが、それを自分の工夫で乗り切れたらさぞかし
楽しいだろうな、と思います。フィールドワークも楽しいかもな、と思いました。いままではめんどくさいだろうな、という感じでしたが。あと、ミゾ族との交流の話も面白かったです。ありがとうございました。
Wed, 10 Dec 2003 23:27:20
A.考えてみると、私たちの住む社会そのものがフィールドです。毎日の思いもよらぬ障害を工夫して、より良い社会を築いていくことが大切だと思います。
- 一番気になったのは、田んぼのひび割れと似てるものが、火星の表面にあるということでした。なんでだと考えられるのかとかもうちょっと聞きたかったです。自分が全然知らないことを楽しそうにたくさん話してくれたのが印象的でした。
Thu, 11 Dec 2003 23:25:43
A.火星の地下に氷(凍土)があるためと考えられていますが、
詳細はまだわからない。いずれにせよ、火星の地下に水が
あるのは事実のようです。
http://soil.en.a.u-tokyo.ac.jp/~mizo/essay/kasei.html
http://www.lanl.gov/worldview/news/photos/mars.shtml
http://www.lanl.gov/worldview/news/photos/equator_water_lanl.jpg
- 講義から随分時間が経ってしまいました。忘れないうちに書きます。
私は元々土壌微生物に興味がありましたが、土壌の他の面をあまり知りませんでした。
だから、この講義で土壌にも物理学を使う分野があることを知って、とても興味を持ちました。
また、私は実験室での研究ばかり考えていたのですが、フィールドワークも面白そうだな、と思いました。必要な道具を自分で開発するのも楽しそうだと思いました。
これから勉強していく過程で自分が何を専門にするかじっくり考えたいと思います。面白い講義をありがとうございました。
Sat, 13 Dec 2003 00:54:01
A.実験室のみならず、フィールドの土壌微生物についてもいろいろと面白いことが沢山ありますので、しっかりと勉強して、楽しく研究していって下さい。
- ミゾ民族の話など笑わせてもらった印象しか残ってません(笑)。
ただ、内閣府のお仕事もなさってるっておっしゃってて、国家一種を受けてそっちの方向に進もうかと迷っている僕としてはとても興味が惹かれました。でも、あまりその話を詳しく聞けなかったので残念でした。自分としては、在学中に、本当に没頭できるような研究対象を見つけて、生涯、国立研究所で研究出来たらいいなあ何て思ってるんですけど。他に理系の公務員はどんな職があるんですか?先着10名(?)にしか返信しないって言ってましたけど、暇でしたら教えて下さい。
Sun, 14 Dec 2003 18:49:31
A.確かに、今のうちにライフワークにできるような研究対象を見つけることが大切です。ただし、あくまでも対象であって特定の事しかやれない(やらない)態度ではいけません。できるだけ柔軟性を持って考えて下さい。国立研究所も、いまや独立行政法人となって、事情がいろいろ変わってきましたが、森林総研、農環研、農工研、中央業総合センター、国環研等々、研究対象に応じていろんな研究所があります。
- クリスマスに出そうと思っていましたが、確実に忘れてしまうような気がしたので、中途半端で不本意ですが、今日感想送ってしまいます。溝口先生の授業は、そのアイデアに驚かされることが多く、フィールド研究の楽しさが非常によく伝わってきました。ですが、私たちがいきなりフィールドに出ても何もできないことを考えると、やはり研究室での作業が基本なのだと感じました。先生のようにフィールドで楽しめるような人間になりたいと思いました。
Tue, 16 Dec 2003 15:37:29
A.確かにいきなりフィールドに出ても問題解決はできませんが、フィールドで何が問題なのかを感じることはできます。研究室での着実な実験と同時に、フィールド(問題の起こっている現場)に常に関心を持ち続けることが大切です。
- 「授業の感想をクリスマスプレゼントに」といわれて、「クリスマスまで1ヶ月以上あるよ‥‥」と思っていたら、いつの間にやら一週間前に。時間のたつのは早いものです。
さて、授業があったのずいぶん前なので、授業中簡単にとっていたメモを見ながらこれを書いているのですが、昔から土いじりというかすな場遊びがきだったもので、とても楽しく授業を聞いていたような気がします。「好きな泥遊びができて給料がもらえるのはよいなあ」というのが、とても失礼だとは思いますが授業を受けての最初の感想でした。細かいことについて、いろいろあった気はするんですが、すでに記憶のかなたでして(^^;)、ひとつ覚えていることにツンドラの土壌融解の一因を果たしているのがハンミョウ(とメモに残っていたのですが、果てさて)の幼虫であるという話が、本来の土壌のこととはかけ離れていますが、心にのっこっています。
こんな感じでしょうか。それでは少し早いですがよいお年を
Tue, 16 Dec 2003 18:51:06
A.「好きな泥遊びができて給料がもらえるのはよいなあ」
そう、学問というのは元来そうあるべきなのです。それが伝わったのであれば、授業をやった甲斐があります。しかし、今の教育は、来年度からの大学法人化も含め、楽しむことを忘れ、妙に義務的な(労働的な)学に流れていっているのが気になります。
- 教授の授業を聞いて一番感じたことはフィールドワークの楽しさ、大切さ、そして難しさです。なにより、向かい合っている対象が予測・コントロールすることが困難な自然というところにその難しさがあるのだとおもいます。 また、そこで必要とされるのは今まで学習してきたり、実験室で得られた知識をもとにして、その場の環境・天候・地形などに応じた観測方法を考えること。これは大変なことではあるけど、成功したときの喜びは教授の講義を聴いていればひしひしと伝わってきました。シベリアの永久凍土のお話しなど大変興味深い講義でした。これからの自分の経験に活かしていきたいと思います。ありがとうございました。
Tue, 16 Dec 2003 22:36:34
A.とても好意的な感想ありがとうございます。完璧過ぎてコメントのしようがありません。「これからの自分の経験に活か」すことを是非実行して下さい。
- 先生の授業からはフィールドワーカー的なオーラが激しく漂っていたと思います。僕の父も大学で教授をしていて、昔はよく研究のためにネズミを捕りにシンガポールとかマレーシアに行っていました。そんな父から感じたのと同じ自然の中にしっかりと身をおいたことのある人特有の経験に基づいた先生の話は本当に感銘を受けました。特に実際の現場での状況によって臨機応変に対応するやりかたはいわゆるデスクワーカーな研究者にはできないんじゃないかなと思いました。僕も将来は現場で実物に触れながら研究するようなアクティブなフィールドワーカーになりたいです。
もしかしてフィールドワーカーって言葉はありませんか?もしないならすみません。作りました。
Wed, 17 Dec 2003 11:41:49
A.Field worker --> 野外研究者、現地調査人
そうですか、お父さんと同じオーラが漂っていましたか。評価して頂きまして光栄です。今のうちにしっかりと基礎を身につけて、是非アクティブな研究者をめざして下さい。
- 楽しい講義をありがとうございました。一番印象に残ってるのは最初の授業で先生が話されたミゾ族のことです。最初のインパクトがあまりにも強すぎてそのことが一番印象的だったんだと思います。嬬恋村の話も興味深かったです。ありがとうございました。
Wed, 17 Dec 2003 14:05:11
A.レポート受領しました。
何が印象的だったかを教えてもらうだけでも、授業の工夫の仕方の参考になります。感想ありがとう。
- 先生の講義の中で最も印象に残ったのは、火星の水の話です。地球上の凍土で起こっている現象が火星でも観察できるという話で、地球上での様々な自然現象の観察が火星でも通用するのかと思うと、聞きながらかなり興奮していました。火星のテラフォーミングに興味があるので、農学2類に進学後もそういったマニアックな内容に触れられることを期待しています。
P.S.文字化けの件ではお手数をお掛けしました。
Wed, 17 Dec 2003 18:21:42
A.火星の話に興味をもった17番の学生の返事に火星関係のURLを掲載しておきました。参考にして下さい。
http://soil.en.a.u-tokyo.ac.jp/~mizo/lecture/soilsphere/03/1.htm
マニアックという意味では、最近私が気になるのは、火星に水があるのは確かだとしても、宇宙線を直接浴びている水は、放射能等の問題があって人間には利用できないかも知れない、ということです。テラフォーミングの道のりはまだまだ遠そうです。
- 楽しい授業をありがとうございました。研究を言うと僕としては実験室で実験をを繰り返してデータをとるというイメージが強いのですが、フィールドの研究もなかなか楽しそうだなと思いました。一番印象に残っているのは、講義の本筋とは関係なくて申し訳ないのですが、ロシアで研究をしていたら軍隊が訓練をしはじめたという話で、まだ一度も外国に行ったことすらない僕としては、あまりに想像の及ばない世界でびっくりしました。それにしても、ロシアの冬はさぞかし寒いんでしょうね。ミゾ族の話も面白かったです。世の中思わぬところでつながっていたりするものですね。これからもこの調子で元気に、研究と授業を続けていってください。僕も先生のおっしゃったように農学部の「の」はのほほんの「の」だということを肝に銘じて、学生生活を送りたいと思います。
Thu, 18 Dec 2003 00:22:50
A.あまり「のほほん」と「の」を自ら実践したいという人にはしっかり勉強しなさい!と忠告しておきます。
- 講義中にみたツンドラにある亀の甲羅のような形のひび割れをみてみそ汁対流を思い出しました、なんか似たような形じゃないですか?あとこの講義を受けてみてフィールドワークによる研究というのもなかなかおもしろそうだなと感じました。今は農二にいるし受けてる講義もミクロな生命現象っぽいものがのメインみたいな感じでたぶんそういう道に進むのかな?と考えていたけど、外にでて実際にいろんなものをみながら大きな現象を学ぶというのにも興味がわきました。まあ、この先どう進むかはわかんないですけどね。とにかくおもしろい講義でした。
Fri, 19 Dec 2003 16:29:26
A.レポート受領しました。
みそ汁の対流を思い出すとは良いセンスしていますね。
実はそうした視点から研究している人もいるのです。
キーワード:Patterned Ground でインターネット検索すると、例えば、下記のようなページに当たります。写真を眺めるだけでもとても面白いと思います。
http://www.geog.ouc.bc.ca/physgeog/contents/11q.html
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先生が授業をなされている時教室中に笑い声が絶えない・・・わけはありませんが先生の授業はジョークに富み、先生自体の人間性からあふれ出る面白さのため、笑いがこぼれることしばしば、非常に楽しい授業でありました。先生の座右の銘であります”研究は1に体力、2に食欲、3,4がなくて、5にジョーク”という言葉は僕も最近よく使わせていただいているしだいであります。先生から学んだ最大のものといえばこの言葉で表される精神であると思っております。最近思うことは、知識が重要なんじゃない、知識を利用できることが大事なんだ、ということです。利用するためには目的がないといけません。ですから目的ありき、だと思いました。目的があればその目的を果たすために必要な知識を手に入れようとするのは当然で、こういう知識のほうがオーラを感じるといいますか、擬人的にいえば知識が生き生きとしている気がします。こういう目的と知識の関係がわかりますと、知識がしょっぱなから重要なんじゃない、むしろその知識を手に入れるだけの体力、そしてその体力源である食欲が重要なのはよく納得できます。もちろんそれ以前に目的がなければしょうがありません。この言葉には”研究は”とついてありますから目的はあるのでしょう。では一般論に広げまして、目的をみつけるためにはどうすれば良いのでしょうか?これは難しい問題です。なぜ土壌圏の科学のレポートにこんなことを書いているのかという疑問よりも難解です。目的をみつけるためには二種類の形体があるとおもいます。必要性からと興味から、です。必要性からというは、おなかがすいたからご飯をつくる、子供のためにご飯をつくる、などがあたります。そして、興味からというのは、料理が好きだからご飯をつくる、料理自体をして見たいと思いご飯をつくる、というものがあたります。さらに詳しくいいますと、必要性からというのは、何かをみて、解決しよう、良くしよう、または悪いとこを減らそう、といった論理的思考から生じることが多いようです。それに対して、興味からというのは、何かをみて、すごいなあ、面白いなあ、しみじみくるなあ、など感情から生じることが多いようです。もちろん両要素が混ざったものもあるでしょう。こう考えますと共に外部からのある種の刺激に対して反応しているようです。よって、目的を見つけるためには刺激を受けやすい、新しい、まだ未知の場面へ自分をおくことがいいとおもわれます!
!#8N$KKM
$O$3$l$+$i?7$7$$4D6-$X<+J,$rAw$jB3$1$k$3$H$G$7$g$&!#$^$@L$CN$J$k<+J,$rC5$75a$a$F!#
なにか下らないことを言っているなあとお思いでしょうがぼくはすばらしいことだと自負しています。先生の授業を受け、感銘を受け、自分で考えたことはこのようなことでした。とてもためになりました。ありがとうございました。
メリークリスマス!よいクリスマスを、そしてよいお年を!
Sat, 20 Dec 2003 14:16:25
A.「目的をみつけるためには二種類の形体がある」
とても良い考察だと思います。その2種類は、
1.好奇心型 2.問題解決型
といえるでしょう。授業中に少し紹介したかも知れませんが、これら2つによって、これまで研究が進められてきました。しかし、地球温暖化など、不確実性の先にある人類の存在を脅かすような環境問題に対処するためには、第3の方法として、
3.シナリオ駆動型
という考え方で研究が進めらるようになっています。
これからも大いに知的好奇心を刺激し、現場をよく観察し、そしてどのアプローチが良いかを的確に選択できるよう努力していって下さい。
文字化けしている部分には、何が書いてあったのですか?
- クリスマスが間近に迫り慌ててレポートを書いております。
溝口先生の講義から一月以上たった今でも、お手製の実験器具を紹介しつつフィールドワークの楽しさを教えてくださったことがとても印象に残っています。2回の講義は短すぎてもっとたくさんお話を聞きたかったです。ありがとうございました。
Sat, 20 Dec 2003 15:45:46
A.それはまた進学してきてからのお楽しみとして下さい。
- 実際のフィールドでの研究の様子が伝わってきて良かったです。ただ、そのようなことは授業にはさんだ雑談でも十分に伝えられると思うのですが。雑談に授業が挟まったような印象を受けました。あと、しきりにネットを見てくれと(同じものがあると)繰り返すのもどうかと思います。CO2やCH4に土壌中のO2量を絡めた辺りの議論など面白いところは多かったので、もう少し、黒板ででも詳しく説明して欲しかったです。
Sun, 21 Dec 2003 11:41:27
A.辛口のコメントありがとう。とても参考になります。私としては、大勢の多様な学生が受講しているオムニバス形式の授業ゆえに、学生に何か一つでも関心を持ってもらうことを目的にこの授業に臨んでいます。関心を持った未消化部分については、進学後、関連の授業で理解を深めて下さい。