寒冷地の土壌は零度以下の気温に晒されると表面から凍結し、土壌水が凍結 面に移動する。mizoは室内実験により土の凍結に伴う水分分布・温度分布・溶 質の濃度分布の変化を実測し、土壌の初期水分・凍結温度によって水分・熱・ 溶質の移動特性が異なることを明らかにし(1, 5)、これらの移動現象を予測す るシミュレーションモデルを構築した。この際、凍土の温度伝導率を測定する と共に(2)、水分・熱・溶質の各々の偏微分方程式を連結する状態方程式（温 度と溶液濃度の関数で表される凍土中の不凍水分量）を化学熱力学の理論に基 づいて、一般化されたクラジウス−クラペイロン式(GCCE)から誘導した(6)。 mizoによるこうした溶質移動も含めた不飽和土の凍結に関する実験と解析は 従来にはない新しい試みである。