土壌断面調査と土壌サンプリング
東京大学附属多摩農場にて、土壌断面調査と土壌サンプリングを行う。サンプリングした試料は、その後の以下の実験にて使用する。
- 乾燥密度および含水量測定
- 飽和透水係数の測定
- 粒径分布の測定
- 水分特性曲線の測定
1. 予定
- 日程:2007年9月13日
- 集合時間: 午後1時
- 集合場所:東京大学附属多摩農場 本館受付前
- 圃場:2号圃S中央部
- 地図:農場までの地図 と 農場内の詳細地図
天気が不確かなときは、当日の朝決行するか中止するかを決定し、http://soil.en.a.u-tokyo.ac.jp/jikken/i.html(携帯電話向けページ)にアップする。このページにアクセスするか、関の携帯 (080- ) に電話するか、学生間で連絡をとりあって確認すること。
2. 準備物
- 教員が用意するもの:準備物一覧
- 学生が用意するもの:汚れてもいい服装
3. 実験方法
3-1. ピット(観測孔)の掘削
- ピットを掘る位置を決定し、印をつける。断面部分の地表には立ち入らない様にする。
- 断面を正面に見る方角から長方形に掘る。ピットの大きさは、本実験では通常のピットよりも小さめに、70 cm x 70 cm x 70 cm とする。
- 掘った土は、層によって土の種類が変わる場合には、それぞれ別の場所に積み上げておく。
- ピットの中への出入りを楽にするために、断面と反対側の面は、下図のように階段状にする。
- 予定した深さまで掘り終えたら、断面を上から下へ向けて整えていく。この時、断面の半分は平に整形し、残り半分は、平らにした後に、移植ごての先端を使って、土をひっかくようにして掘る。
- スケールを断面にたてて、地表からの深さを読み取れるようにする。
図と写真:ピット
3-2. 土壌断面観察と現場測定
目と手による観察で、土壌断面調査表に以下の項目を記録する。
- 層位の区分、厚さ、深さ:層の区分には、マーカー(カラー画鋲)で印をつける。
- 土色:マンセル土色帳を用いて色を特定する。
- 土性、水分状態:手を使い触感で調べる。
現場測定は、以下の項目を実施する。
- 硬度の深さ分布:山中式硬度計で、深さ5〜60 cm を 5 cm ごとに、各3点測定する。断面に対して垂直に、所定の深さに山中式硬度計を押し込み、引き抜いてから硬度目盛りを読み取る。円錐部の土を拭き取ってから、次の測定をする。
データ整理時に、深さごとに平均値を計算し、硬度の深さ分布のグラフを書く。
土壌断面の写真を撮影する。
- 凡例:紙に年月日、時間、場所、ピットの番号(班の番号)等の必要事項を書き、画鋲で断面に固定する。
- 写真撮影は、スケール、マーカー、凡例が一緒に写るようにする。
3-3. 土壌試料のサンプリング
下図の様に、深さ 5〜10, 15〜20, 25〜30, 35-40, 45〜50cm から、100 cm3 サンプラー不撹乱試料を3個ずつ、2 cm サンプラー (内径5m、高さ2cmのサンプラー) 不撹乱試料を1個ずつ、袋試料を 500g 程度ずつ採取する。
それぞれの試料の測定項目は、表の通りである。
試料 | 測定項目
|
100 cm3 サンプラー不撹乱試料
| 乾燥密度、飽和透水係数
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2 cm サンプラー不撹乱試料
| 水分特性曲線
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袋試料
| 含水比、粒径分布、真比重
|
不撹乱試料のサンプリング方法は、以下の通りである。
- テラスの作成:たとえば、深さ 5〜10 cm の不撹乱試料を採取するためには、深さ 5 cm の位置に十分な広さのテラスを作る。
- サンプラー挿入:所定の個数のサンプラーを、テラス上面から鉛直に挿入する。サンプラーの壁と土壌試料の間にすきまができないように、極力衝撃を与えない様に、しずかに鉛直に押し込む。サンプラーの上に、木片を載せて、木片をしずかに押し込む。
- サンプラー取り出し:サンプラー周囲の土を静かに除いてサンプラーをむき出しにする。土壌がサンプラーから落ちない様に注意しながら、サンプラー周囲についた土を軽く拭き取り、サンプラー上端にふたをしてひっくり返し、土壌がこぼれないようにして、ピットの外にいるメンバーにサンプラーを渡す。
- 試料整形:サンプラーを受け取ったメンバーは、試料を整形する。サンプラー上端が平面になるように、カッターで整形し、ふたをする。サンプラーをひっくり返し、サンプラー上端のふたをはずして、上端が平面になるように整形し、再度ふたをする。サンプラー周囲についた土をきれいにふきとる。
- 試料密閉;上端、下端のふたをビニルテープで固定し、試料を密閉する。
- 記録:サンプラー番号、採土深さを記録する。ビニルテープに、マジックで日付、ピット番号、深さを記録する。
撹乱試料は、以下の通り採取する。
- 不撹乱試料のサンプリングと同じ深さでは、サンプリング時の削りかすなどをビニル袋につめて、乾燥しない様に密閉する。
不撹乱試料、撹乱試料ともに、ピットごとに袋にまとめ、袋に年月日、場所、ピット番号、班の番号を記録する。
写真:不撹乱試料採取用道具
写真:不撹乱試料の採取 - 土が硬いので、サンプラーを土に押し込むために体重をかけている。
3-4. 埋め戻し
- 丁寧にピットに土を埋め戻す。掘った層ごとに埋め戻し、なるべく混ざらないようにする。
4. 参考資料 (写真)
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