土壌圏の科学07



寒冷地土壌圏の科学(2007.10.18)  受講者 180名
地球規模の土壌物理学(2007.11.1)  受講者 180名
土壌中の熱移動と農地情報モニタリング(2007.11.15)  受講者 167名


講義の感想(その1):

レポートの提出順に掲示してあります。提出したのに掲示されていない場合にはお知らせください。レポートが届いていない可能性があります。

  1.  僕は、最初土壌のことについてあまり興味がなく、単位を取 るためだけにこの授業を履修した。しかし、溝口教授や宮崎教 授がビデオやわかりやすいスライドを用いて講義を行ってくれ たので、土壌に関してかなり興味を持った。特に土の中での水 の動きに関しては魅せられるものがあった。土の隙間を水が上 がっていくということを説明なさるとき、「土の中では水はつ ながっているんだ。」とおっしゃったことが印象に残っている 。また、これ以外にこの講義では農学部で研究をする上でのフ ィールドワークの重要性についてもいろいろなことを学んだ。 僕は、将来何か食品が身体に及ぼす影響とその対策について研 究したいとなんとなく考えていため、生命科学・工学専修を選 んだ。しかし、フィールドワークについて学んだおかげで、研 究は研究室にこもって孤独にやるものだと勘違いをしていた自 分に気づき、同時に今までの自分の視野の狭さも分かった。
       僕はこの講義で内容だけでなくいろいろなことを学べたので 良かったと思っている。この授業で学んだことを無にせずこれ からもがんばっていきたい。
    【2007/11/16 (金) 0:49】

  2. スライドを見ながら先生のいろいろな経験をお聞きすることができ、とても楽しい授業でした。水ポテンシャルの説明では、教壇で実験してみせてもらい、また法則など式を用いた説明も分かりやすく、物理アレルギーの私にも理解できた…ような気がします。
      そんな3回の講義のなかで最も印象に残っているのは、フィールドワークについてです。アバウトなイメージしか持っていなかったフィールドワークについて、実際にどのようなものであるのか知ることができ、その重要性を感じました。農経の先生方もよくおっしゃることですが、その土地に実際に足を運んでみて初めてわかることがある、というのは社会科学にも自然科学にも共通することなのだと思いました。
    【2007/11/18 (日) 22:55】

  3.  3回の講義は大変興味深かったです。私は工学部の社会基盤学科で地盤沈下について学ぶことも多いです。「建築家などは地面のことを絶対不動のものなどと思っている」とよく言われるのですが、地面・土の詳しい仕組みまでは教わりません。農学部ではさらに詳しい話を聞くことが出来てとても良かったです。土地は人間の食に直接関わるものであり、これほどに劣化が進んでいるとは思っていなかったです。劣化にも、風食や塩類化など、いままで耳にしたことのなかった現象がありました。塩類化などは、降った水と蒸発する水の量の大小などを科学的に考えて、劣化のメカニズムを明らかにしていく学問が進んでいるのだと知りました。
       後半の水ポテンシャル論もはじめて聞く概念であり、興味深かったです。土壌の非相似理論や熱移動式は、その仕組みを数式で捉えることは理解したのですが、それらをどのように土壌の凍結・融解や森林火災と結びつけるのか、そのプロセスをもう少々詳しく聞きたかったです。
       この講義は一週間のうちでも楽しみにしている講義なので、これからも頑張って聞きます。
    【2007/11/20 (火) 23:20】

  4. 溝口先生の授業を通して最も印象に残ったのは、フィールドワークとそこでの発見から更に相乗的に発展してゆく研究の面白さです。
      まずはデータを取り、そこから柔軟な思考を以って様々な仮説や問題設定をし、研究室でそのより厳密な解明につとめる、というプロセスは、まさにこれが自然科学なんだなと実感しました。とくに最後の授業で紹介された湿地のガス放出の研究では、土壌からのメタン排出に関する常識に疑問を投げかける、そしてそれが地球温暖化にも直接つながるようなトピックであると言うことに、自然科学の研究というものは、こういう事なのかと、目から鱗の思いでした。
      私自身は応用生物学専修で、農業生産や食糧問題環境問題への関心から、ぼんやりと植物の生理的な研究がしたいと思っていたのですが、この授業をきっかけにして、単に植物の栄養素のプールとしての土壌ではなく、もっとダイナミックで有機的な土壌の奥深さを少し見ることが出来た気がします。
    どんな研究をするにしても、柔軟な思考と、行動力、コミュニケーション能力は欠かせないものなのですね。
      まだ勉強を始めたばかりのこの時期に生の研究現場の雰囲気を知ることが出来てよかったと思います。ありがとうございました。
    【2007/11/21 (水) 0:04】

  5. 三回の講義を通して持った感想は、私は個人的に数式が苦手なので、ダルシーの法則やフーリエの法則などはまだいまいちよく理解できてないでいますが、講義全体を通しては私にとって新しい考え方にたくさん触れることができたので、有意義で楽しかったです。
      まず、最も興味を持ったのが毛管現象でした。他の講義などでも食糧問題を扱う時には必ずと言っていいほど塩害の問題を耳にしましたが、実際にどのようにして塩害が発生するのかは聞いたことがありませんでした。単純に、水を撒いたのになぜ土地が乾燥するのだろうと気になっていたので、地下水の塩類が毛管現象で表面に引き上げられるということ、表面で気相に変わった水は塩類を表面に残してしまうことの二点は印象的でした。特に、水の相変化についてはあまり意識したことがなかったので新鮮でした。また、土の乾燥過程や凍結過程が水のポテンシャルの低下と関係があるという考え方も、教養学部で熱力学を学んでいた時は当たり前と思って聞いていたはずのことなのに、農学に応用されただけで新鮮な話のように感じました。農学部に来てから教養の授業が生物系のみになってしまい物理は忘れていましたが、改めて物理の大切さを、特に、今までやったことのない、物理の農学的応用の大切さを認識しました。
      次に、地表面の熱収支についてですが、潜熱輸送量の考え方が面白かったです。森林火災や雪の融解時における土の温度変化について、急激な温度変化が起こるということは、そのような知識すらなく初めて耳にしましたが、ここでも再び水の相変化が重要となってくるということは驚きでした。高校の化学や教養の熱力学では、与えたエネルギーと温度変化のグラフをよく目にしていましたが、教養実験の時しかそのような知識が実際の日常生活で出てくることはなかったので、こんなに身近なところに潜んでいたとは思いませんでした。
      私は獣医学に進むので、恐らくこれから先も土壌に関する知識は使うことは少ないと思いますが、だからこそこの講義で自分の専門とは少し違った科学の知識を得ることができて良かったと思います。単純な原理であっても学んだ時に得られる感動は大きかったので、この精神を忘れずにあと四年間農学部で頑張っていきたいと思います。
    【2007/11/21 (水) 0:19】

  6.  3回の講義を聞いて、全体的な感想としては、フーリエの法則のような理論的な内容から、先生の研究の写真集まで バランスの良い構成で、非常に興味を持って聞くことができました。フーリエの法則などの一見難しそうな数式は、苦手意 識を持っていましたが、身近な霜柱の話から入ったおかげで理解がしやすかったと思います。今学期から専門的な内容の 講義になり、このような複雑な数式を学ぶことは新鮮な気持ちで講義に取り組めてよかったと思います。また、この講義か ら研究することの楽しさを感じることができました。土壌の温度変化についての話を聞いていて、地中深い位置のほうが温 度変化は穏やかであることは容易に想像がつきましたが、実験の結果を見て温度変化がある地点から急激に変わるとい う結果に意外な感じがしました。研究、実験をしていて、このような予想外の結果が得られることが、研究の楽しみの1つで あることを感じました。基礎実験は結果がはじめから大体わかっていたので、あまり楽しみがなかったのですが、そのような考 え方が変わったと思います。先生の講義については、最初の講義のつかみの部分で、「この先生の話はおもしろそうだ。」と いう期待を持ったのでその後も全く眠くなることなく講義を受けていました。第一印象の重要さも実感しました。
    【2007/11/22 (木) 1:14】

  7. 今回3回の講義を聞かせていただいて、フィールドでの調査や研究はやはり面白そうだと思うことができました。フィールドでの研究は面白そうだと思っていましたが、漠然としていてこれが研究したいという明確なものがまだわからなくて不安があったのですが研究対象との出会いは意外なときに訪れることもあるのだと思いました。そういうところもフィールドの魅力なのかなと思います。研究というのはまだ難しそうな感じもするけれど同時に話を聞いているとだからこそ何か発見があったときの喜びも大きいし、楽しいのだろうなということも感じました。理論は難しく感じて敬遠してしまうけれど、もちろん理論が好きという人もいるでしょうし、そうでなくても自分の研究していることのために何か考えるのはもしかしたらわくわくするのかもしれません。また研究には学問もそうだし人とのコミュニケーションといったことも大事だという、細かいことを研究していても開けたものであるのかな、そうであってほしいなと思いました。
    【2007/11/22 (木) 11:24】

  8. 三回の講義で、重要な理論を毎回1つずつ丁寧に説明してもらい、それから先生の体験や実験の話などが聞けて、とてもバランスよく楽しめました。 理論の方は、特に毛管現象の話が、重力に逆らって水が上に移動するという不思議な現象を簡単な物理の知識で理解でき、またその場で実験も見ることができて、とても興味深かったです。他の授業でも農業問題でたびたび塩害の話が出てきて、理解に役に立っていますし、気象の授業でも霜と霜柱の違いがよく理解できました。物理は苦手ですが基本的なことだけでも理解しておく必要があると感じています。
      後半のお話では、環境問題の研究手法として、シナリオ駆動型の研究が大切であること、そして社会科学とのリンクなど総合的な視点が必要であるというお話がとても印象に残りました。私は森林に興味があって農学部に来ましたが、文系のよさも生かせるようにがんばりたいと思います。それから、フィールド研究がどんなものであるかと、フィールドに出てみないとわからないことがたくさんあることなど、その重要性がわかりました。
      楽しい授業ありがとうございました。
    【2007/11/22 (木) 16:13】

  9. 楽しそうだな、と思いました。私はこれまで、理論科学の水も漏らさぬような論理の展開が、綺麗で一番好きでしたが、シベリアや嬬恋に行って、穴を掘り、水の漏れ方を調査するのもいいな、と趣旨換えしました。「現場」では、アドリブ力というか、その場その場での瞬発力を試されそうで、そこが面白そうなところです。
       「なんかちゃんとした事を学んだような気になる」部分が、やけに少ないようには感じました。私のような、ものぐさな物理嫌いにはありがたい話ですが、熱移動のところなど、ちゃんと理解できているのか、不安ではあります。「ちゃんとした事を学んだ気になる」理論の部分と、「現場」の部分をつなぐようなものもあれば、分かりやすくなるのではないでしょうか。
    【2007/11/23 (金) 1:17】

  10. 溝口先生の3回の講義は、どれも理論的な話とフィールドワークの話が上手く組み合わさっていて、90分間飽きることなく講義を聞くことができました。土壌についてほとんど興味はありませんでしたが、講義を聞いて新しい知識をたくさん得ることができ、土壌っておもしろいなと思えるようになりました。
      毛管現象の話や、土壌中の熱移動についての話は、農学部の他の講義にもつながっていて、授業の理解にとても役立ちました。特に毛管現象で、なぜ水が上向きに移動するのかということについての図を使った説明は、とてもわかりやすかったです。
      また、フィールドワークのおもしろさというのもこの講義で知ることができました。今までは、研究というと研究室でやるものというイメージが強かったのですが、外にでて研究するということの重要性を学ぶことができました。
    【2007/11/23 (金) 15:41】

  11. 物理や数式は、今まではそれ自体が面白くてやっていたが、実用的に面白いと思ったのはこの授業が初めてだった。まず、農学の世界でも化学と生物以外の理系知識が役に立つというのが、初めての発見だった。
      霜柱のしくみでは、水ポテンシャルという初めて聞く言葉が出てきたが、しくみを知ったことにも感動したけれど、霜柱がきっかけで研究が始まったというエピソードにもっと感動した。一日目の授業では、乾燥地や霜柱の仕組みよりも、研究現場の実態と、「おいしいキャベツ=土の犠牲」という構図が心に残ってしまった。そして、次の日友人にストローで毛管現象を見せていた。
      研究手法の話のところで、自分は好奇心駆動型だと感じた。環境問題では、シナリオ駆動型だということだが、だから自分は環境を考えたいといいつつも、植物病理という、どちらかといったら小さいジャンルの、研究的なところに進もうとしているのだろうかと思った。
      環境を考えるには、現場を自分で見ることが大切なのだと、改めて感じた。湿原のメタンガスのことなどは、研究室でじっとしていてもわからない。フィールドサーバは、現地を見るという点においては、とても役に立つと思った。でも、それに頼りすぎて、自分の足で見に行かないようになるような未来は来て欲しくないとも思った。
      フィールド研究の、「1に体力・2に食欲・3,4がなくて5にジョーク」というのは、今後参考にしようと思った。研究の道具で秋刀魚を焼くことも、時には必要だと思う。
      授業とは関係ないけれど、このメールがインターネットで公開されているのは、良いアイデアだと思った。同じ立場の生徒の人たちがどう考えているのか知ることが出来て、なんだかうれしかった。
      この授業は、とても楽しくて、将来の糧になりそうなことを多く学べた。受けていて良かった。
    【2007/11/24 (土) 2:13】

  12.  先生の授業はとても面白かったです。今まで土をあまり意識したことなんてなかったのですが、毛管現象や水ポテンシャルなど、物理的な視点から土壌を考える学問があることを知って興味が持てました。
       難しい式や説明のところ以外はノートもとらずただ聞いていただけなのですが、先生のフィールド研究の話も面白かったです。寒いところに行ったり、90時間測定など、実際に外で研究するのは本当に大変なことだと思うのですが、写真を見ている方からすると、研究室にこもって実験しているよりずっと楽しそうにやって いるという印象を持ちました。現場に近いところで研究できるのが農学部の面白いところだと思うので、私もぜひどこか外に出て研究してみたいと思います。
    【2007/11/26 (月) 6:20】

  13. 溝口先生の授業で感じたことは、全身を使って研究することの大切さです。頭を使って考え、手を使って実験し、足を使ってフィールドに出て、自分の目でしっかり見る。これらがすべて揃って、ひとつの研究が進んでいくのだと感じました。授業の中では、難しい計算式も、簡単な実験で現象を実際に見ることができ、非常に理解しやすかったです。フィールドワークについても、写真や実際の研究結果を見ることで、具体的なイメージがわきました。また、実験しづらい場所や天候の中であっても、そのような状況だからこそ得られる結果もあるのだということはこれからも忘れてはならないことだと思いました。研究を楽しもうという先生の姿勢も印象的でした。3回だけの授業で、深いところまで多くを学ぶことはできませんでしたが、農学、研究に興味を持つきっかけになりました。【2007/11/26 (月) 10:31】

  14.  実際に行っている研究の紹介はとても興味深かった。人の人生(研究)の軌跡を聞くのは、限られた人生の中で、先人の行動のおいしいところを追体験しているようで、自分のこれからの道を考える上で、ためになる。
       一番印象に残ったのは、フィールドサーバの話。フィールドに出て、現地の状況をつぶさに調べることは大切ではある。それがある程度終わって、継続したデータが必要になったとき、現地で自分が付きっ切りで測定するのでは効率が悪いし、調べることのできる範囲も限定されてしまう。そうすることも、時の経過とともに新たな発見があるといえばあるのだが、そんなことに労力をかけるよりは、自動測定監視機を、いろいろな所において観測すれば能率的だ。研究においても、農業経営などにおいても(家で広範囲の自分の農地の様子を見ることができる)、非常に役立つと思う。この研究の今後の発展に期待。
    【2007/11/26 (月) 10:49】

  15. 私の実家は農家なので、小さい頃から土に触れてきましたが、土壌圏の科学の授業を受け、改めて土が好きになりました。凍結と蒸発現象のアナロジーでは、凍結過程も乾燥過程も共に水ポテンシャルの低下によって生じることがわかりました。特に、霜柱ができる過程は、土の中の水が上向きに移動する毛管現象で科学的に説明され、興味深かったです。また、研究のお話で、低気圧のとき、地表からメタンが多く放出されることを初めて知りました。環境問題を総合的視点で考える必要があると思いました。
      最後になりましたが、面白くてわかりやすい授業、ありがとうございました。【2007/11/26 (月) 17:13】

  16. この先生は本当に自分のしていることを楽しんでいるな。 これが、僕が3回の授業を通じて一番感じたことです。知らなかったことを知るということはとても楽しいことだと思います。
      その楽しみをあらゆる方法を使って体験しようとしているということが伝わってきました。
      特に授業中に数式が出てきた時の扱いかたに感動しました。 わからなければわからないでもいい、わかる人だけきいてねというスタンスの中に数式はあくまで知らないものを知るための道具の一つだ、というものを感じました。
      僕は数式が大好きなのでそこの部分が一番楽しく聞けたのですが、そこの部分がわからなくても知らないものを知る喜びは変わらず存在している。ということを教えてもらえた気がします。
      授業の中身は、土壌物理学の簡易版みたいな印象でそういう側面の知識の増加はあまりありませんでしたが、実際の研究室での活動のしかたを知ることができとても有意義な授業でした。
      早く研究室生活をしたいな、と思います。
    【2007/11/26 (月) 20:22】

  17.  なんとも面白い学部に入ってしまった。これが3回の講義を聞いての正直な感想である。私は特に志もなく、なんとなく農学部に希望を出し、内定した。そしてこの講義も、単位の為の受講という形で履修届けを出したのだったが、言い方は悪いがどうやら「アタリ」だったようだ。「農学部」とはどんなところで、どんなものなのかがつかめていなかった私にとって、それを学べたのがこの講義だった。
       「農学は全部ができなければいけない。」 一字一句正確には記憶していないのだが、この言葉が深く印象に残っている。様々な切り口から物事を見れる総合的な視点、考え方。もちろん、どんな学問を志すにしても必要なことではあるが、「農学」という非常にスケールの大きい学問を学ぶにあたっては、いっそう重要であろう。それだけでなく、「全部」にはコミュニケーションも含まれるのではないか、と講義を受講して思った。よく考えれば、農業というものが人間の活動なのだから、しごく当たり前なことなのだが。
       他にも、なんとも表現しがたい、農学部の雰囲気というか、気質のようなものもつかむことができた気がする。これから農学部で学んでいく上での、大袈裟かもしれないが心構えのようなものが把握できた。理論は簡潔明快で、その他の話題も興味深く飽きることがなく、毎回楽しく受講できた。ありがとうございました。
    【2007/11/26 (月) 21:46】

  18. 3回の講義を聴いて、非常に興味深い内容だと思いました。水ポテンシャルや毛管現象などの理論的な少し難しい話と、フィールドワークでの出来事のような、楽しんで聞ける話がうまく組み合わされていて、3回とも最後まで飽きずに講義に集中することができました。
      理論的な話については、毎回とても分かりやすく説明してくださったので大体の内容は理解できたのではないかと思います。特に霜柱という重力に逆らっている現象が、水ポテンシャルという自分が初めて触れた概念で説明されるのはとても面白いと思いました。
      フィールドワークの話では、普段聞く機会の無いシベリアの話が個人的には好きでした。また、単に机に向かって考えるだけでなく、実際にフィールドに出て調査を行うことの重要性もわかった気がします。
      土壌圏の科学に関しては最初はあまり興味がなかったのですが、とても楽しめたので受講してよかったと思います。
    【2007/11/27 (火) 14:36】

  19. 土壌圏の科学という講義の名前から、土壌の性質やそこにいる生物などについて学ぶのだろう思い授業をとりました。しかし、実際は体系的な授業というよりはむしろ先生方の考えや実際にやってきたことを色々と教わる形式で、自分は他にもオムニバス形式の授業はたくさんとっていたので最初はまたかと思っていたのです が、溝口先生も宮崎先生も大変話が面白かったので結局この授業をとることにしました。
      先生の授業では毎回最初に数式をいきなり登場させて物理に関することを教えてくださります。正確に理解できてはいないのですが、土壌について研究する際に定量的に分析するのも重要であることを知り、土壌の科学は単に地質学や生態学などが基本になっているんだろうという自分の考えが改まりました。経験から一般的 な法則を見出すという物理学的な作業はあらゆる科学で必要です。確実な分析の結果から初めてマクロな事象を解明できたり、問題の解決につながるのだと思いました。
      先生の研究に関してたくさん教わった中で一番興味深かったのはメタンの発生プロセスについての研究でした。メタンバブルの噴出が大気圧の低下と共に猛烈な勢いで起きることは考えてみればなるほどと思うのですが、この事を解明したことによってメタンの排出量測定は天気の悪い日を考慮しないと正しいデータが得られ ないことが分かり、これは素晴らしい研究だと思いました。
      自分は理科U類に進学して理系科目や実験などの授業を受けているうちに科学に対して興味が薄れてきて、経済学部に進学しようと思っていたのですが、進学振り分けで点数が少し足りず、農学部の森林科学に内定しました。農学部にいざ入ってみると、地球全体としての収支も非常に複雑なシステムでできており、その巧妙 さに感心するとともに、地球がかかえる様々な問題の解決の一つに携わりたいと思うようになりました。自分は研究者の分類としては社会型に位置するのだと思っています。好奇心を満たすためというより社会の動向を注視して、その中でどのようなことをすれば良い方向に向かうのかを考える研究がしたいと思うからです。その格 好の事例を教えていただき大変感謝しています。ありがとうございました。
    【2007/11/27 (火) 16:42】

  20. 土壌圏の科学の講義を聞いて感じたことは、なにより教授が熱意を持って研究に取り組んでいるということでした。ユーモアを交えつつ研究内容を話す姿に、特に土壌にあまり興味を持っていなかった学生も引き込まれたと思います。さて、講義の中で特に興味を持った部分は、沼底から噴出するメタンガスの話でした。深さ10cmから60cmまではメタン濃度が深さとともに増大、60cm以上の深さでは一定の濃度になっていること、気圧低下に伴ってメタンが強烈に噴出すること、数分から数十分でメタンフラックスが2オーダーも変化することなどが調査でわかったと講義で話されていました。
      メタンガスは温室効果を持ち、温暖化現象にも関わっています。土壌という、最初は違う入り口から始めた研究が、結果として、温暖化現象と言う別の大きな研究内容まで発展したと言えます。一見地味で地道な調査が、大いに現状の問題解決に貢献することを示唆していると思います。いま二年生の自分にとってはどんな研究でも無駄にはならないということがわかっただけでも有意義な講義でした。研究にあたって、何日も張り付いて調査を続ける体力、必要ならば自分で道具を作ってしまう工夫、そして神経質にならずにユーモアを持って取り組むことが大事なのだなと思いました。
    【2007/11/27 (火) 18:02】

  21.  計3回の講義を楽しく拝聴させて頂きました。3回の溝口准教授の講義を受講して色々考えたり思ったことをレポートとさせて頂きます。第1回目の講義では、特に毛管現象についての溝口准教授の説明が非常に分かりやすかったことに感銘を受けました。説明が非常に分かりやすくすぐに理解することが出来ました。また、結論の式に数値を代入することによって得られたh=15/r (mm)という式の分かりやすさというか美しさにも大変感動しました。第2回目の講義では、講義の始めの方の水ポテンシャル論についての話が特に印象に残りました。サクション(水ポテンシャル)の話のところでの相対湿度80%、20℃ではpF=5.5などの様々な数式が登場してきたところでもまた溝口准教授の説明が非常に分かりやすく素直に理解することが出来ました。土の保水性(水分特性曲線)が砂や黒ボク土などでかなり異なっていたことも良く印象に残っています。また、研究の分類の話のところで、好奇心駆動型(発見型)と欲求駆動型(企業型)とシナリオ駆動型(社会型)の3パターンあるという話は初めて聞く話で面白かったです。僕自身はこの3つの中かでいぁw)Δ箸垢襪塙ゴ饋感酘扱拭僻・・拭砲任☆・w)るのかななどと思いました。講義の終わりの方では、シベリアの永久凍土の事例の話などを聞いていると自然とフィールド科学の重要性がだんだんと分かってきました。第3回目の講義では、まず地表面のエネルギー収支の話が強く印象に残っています。Rn=H+LE+Gという式で表されると知って大変興味深く思いました。次に、土壌中の熱移動式のフーリエの法則の所の説明で、また溝口准教授の説明が非常に分かりやすく、すっと頭のなかで理解出来たことが良かったです。又ここで得られた結論の式は非常に有用なのだろうなと思いました。インドネシアの焼き畑の話も強く印象に残りました。そして、スライドの中での『水・熱・有機物の移動と変化に関する研究』という研究の中での実験風景を見ていて早く僕もフィールドに出て自分達の手でああいった実験をやってみたいなと思いました。
       計3回の講義を受講して、数多くの知識を得ることが出来たのはもちろんなのですが、自らフィールドに赴いていき自分達の手で調べていくフィールド科学がいかに重要であるかということを一番強く感じました。フィールド科学の重要性を理解した上で色々な知識を適宜吸収していきそれをフィールドで生かすというのが研究のかなり重要なやり方であると改めて認識することが出来ました。これでレポートを終わらせて頂きます。計3回の非常に有意義な講義をどうもありがとうございました。
    【2007/11/27 (火) 19:32】

  22. シラバスの講義内容のところに「土とは何か」というのを見つけ、今まで土そのものを意識したことがなかったことに気づき、授業を取りました。土には微生物がたくさん住んでいて生態系の重要な一部を担っていること、また植物が土から水分や養分をすって成長していることは知っていても、土はあって当たり前、どこでも似たようなものだと思い込んでいました。
      講義では土壌中の熱移動や水分移動の話がありましたが、どちらも多くの実験やフィールド調査のもとに研究されてきていることに驚きました。水は土の表面から下にしみこんでいくものと思っていたので、水ポテンシャルによる説明は興味深かったです。(熱移動の式は難しいです…)水につけたタオルや紙が水を上方向に吸っていくのと同じようなことが土の中でも起こっているとは考えもしませんでした。また、授業中に見た色々な地方の写真がとても印象に残っています。
      土は空気と同じようにどこにでもあり、同時に意識されにくいものだと思っていました。しかし、農業や地球の温暖化、気候変動に密接に関わっている土に関しての研究がさらに進めば、世界全体を変えていくことができる非常にスケールの大きい学問だと感じました。ITとの融合もこれからますます進んでいくのでしょう。
    【2007/11/27 (火) 23:34】

  23.  溝口先生の講義で印象に残ったのは、実際に先生が行われたフィールドでの調査についてのものでした。写真などがたいへん多く紹介されとても興味深かったです。いろいろな苦労?が伝わってくる写真も大変おもしろかったです。トイレはばっちかったです。
       また溝口さんの話はメリハリもあってたいへん分かりやすく面白いので講義がとても聞きやすかったです。毛管現象を数式で説明していたのも驚きでした。
    【2007/11/28 (水) 0:00】

  24.  今回の授業では、ダルシーの法則などの様々な公式も学んだが、一番学んだのは実地での調査の大切さだと思う。先生は、実地での調査を重視しておられるが、その姿勢は4スタンス理論の提唱者である広戸聡一氏に似ていると思った。4スタンス理論とは、立っているときに人は無意識のうちの足の一部分に重心をかける傾向にあり、そしてどこに重心をかけるかで体への負担が少なく、かつよりよいパフォーマンスを行うにはどうすればいいかが変わってくるという理論である。そして、興味深いことにこの理論は常にスポーツの現場にいたからこそできたのだという。広戸氏によると、様々なスポーツ理論を勉強していても現場においてはずれがあることも少なくなかったのだという。そして、そのずれは何かを追求していくうちに4スタンス理論に行き着いたのだという。
       やはり、先生や広戸氏のように現場に行かないと見えてこないこともあるのである。私も、将来研究者になったなら机にばかり張り付いていないでどんどん現場に行って物事の本質を見極めたいと思う。
    【2007/11/28 (水) 15:00】

  25. 自分はワインをこよなく愛している。ワイン作りにおいては、「その地域、その年の天候」や 「作る人々(畑仕事をする人や醸造関係者)」と共にもっとも重要とされるのがその「土壌」である。 今回の講義の中で、地熱や水分移動に関する話があったが、イタリアやフランスでワインの名産地とされているところの 多くは、それら土壌の特性が育てているブドウに非常に適している地域である。土の透水性に関して導き出す式などが授業の中で紹介されたが 実際ブドウ畑においても水はけなどは非常に大切であり、各ワイン畑の所有者は、自分の畑の土壌のことを非常によく理解している。
      いくつか具体例を挙げると、フランス、サンテミリオン地区にあるシャトー・トロロン・モンドは「粘土石灰質土壌(粉砕されたすい石と石灰)」 同じくフランスのオー・メドック地区のシャトー・ラトゥール・カルネは「石灰質に富む粘土質の底土の上をギュンツ紀の砂礫質が覆う南南西の傾斜」 といった具合である。(データはUnion Des: Grands Crus de Bordeaux: tasting guideより引用)
      このようにワインや葡萄にとっても土地の理解は非常に重要であるので、今回の授業は非常に楽しく聞くことが出来た。地熱や透水性の話、様々な種類の 土が層をなしている時の(このような状態の土壌が一般的だが)、その土壌の特性(地熱や水捌け、特定の天候に対する優劣)など もっと詳しいデータや研究なども興味があるので、機会があれば是非学んでみたい。
    【2007/11/28 (水) 19:26】

  26. 僕は最初、この授業をコマ合わせのために入れたが先生の話が予想以上に面白く毎度聞き入ってしまいました。講義で特に面白いと思ったのはなぜ霜柱が出来るのかです。小さい頃よく踏みつけたりして遊んだものですがその原理はさっぱり分かりませんでした。そしてようやく土の中の水分が上向きに上昇する毛管現象によるものだと知ってなるほど〜と思いました。
      自分は計算式とかを見て即座に現象を理解できる人間ではありません。だから、図や写真とかを使って視覚的に理解させようとする先生の講義には大変好感が持てました。最後にジョークとはいえ、先生の体重の変化をつぶさに記録する研究者としての態度が非常に立派だと思いました。
    【2007/11/28 (水) 20:40】

  27. まず、この講義を受けたのは土壌圏の科学という講義名を見て農学部には変わった講義があるのだなと思ったからで、土壌について興味は皆無の状態でした。しかし、先生の話が内容・話し方共に面白くいつの間にか90分間が過ぎていて土壌について面白いと思い始めている自分がいることに気づきました。講義の前半では毛管現象や土壌中の熱エネルギーについてなど『理論』について説明があり、後半では嬬恋などで実際行ったフィールドワークの話をしていただき、学問は理論と実践があってこそ意味を持つものだと感じました。そして溝口先生の3回の講義を通して研究者としての熱意と心構えというものが一番印象に残りました。将来自分も研究者になりたいと思っているので自分なりに一番興味を持てる分野を探し、溝口先生のように研究室にこもって机に向かっているだけでなく実際に現場に足を運んで実験し結果を考察してさらに知識を深めようとする飽くなき探求心を持った研究者になりたいと思いました。
    【2007/11/28 (水) 22:04】

  28.  正直なところ、シラバスを見ていた時は「土壌圏の科学」という講義に大き な期待をしてはいませんでした。しかし、予想は大きく裏切られました。もち ろんいい意味で。
       数式の価値は理解してはいたものの魅力は感じられなかった私も、毛管現象 やフーリエの法則は面白く感じられました。その理由は単に教授自身がその研 究を楽しんでおられ、様々な体験談を交えつつその面白さを伝えて下さったか らだと思います。
       学問的な分野で一番記憶に残っているのは水ポテンシャルという概念です。 水分の移動というとイメージしにくかったのですが、これのお陰で何となくで はありますが理解できました。しかし、何よりフィールドワークにおける心構 えというか、研究者としての有り方というものが一番印象深かったです。現地 の人とウォッカを飲み交わして親交を深める…とても魅力的です。将来研究者 になれるかはまだ分かりませんが、例えどんな分野で働くことになったとして もこの講義で学んだことは活かせそうです。どの講義もとても楽しみつつ受け ることができました。ありがとうございました。
    【2007/11/29 (木) 0:35】

  29.  非常に楽しい授業でした。つかみの「データは研究者の命」という所で、先生の体重に関するグラフを見た瞬間にこの授業の虜になってしまいました。
       3回の授業を通じて、研究は楽しそうだなと思いました。また、楽しく研究を行うことが良い結果を生み出す上で大切な事だとも感じました。
       講義の中で様々な地域や人が出てくるたびに、多くの人が協力して一つ一つの研究が行われていると感じました。
       農学は実学なので、現場で何が問題なのかを知ることが非常に大切です。そして問題を知るためには、現場の人たちに心を開いてもらわなければいけません。世界中に多種多様な人がいます。そんな世界で楽しくしっかりと研究をするにはユーモアに富むことも非常に大切な事なのだ、ということにも非常に納得しました。
       自分も人の話を真摯に聞き、的確に判断し、行動できる研究者になりたいと思いました。
    【2007/11/29 (木) 1:25】

  30.  土壌圏の科学という授業を受けるに従って、地表には必ず土 壌があり、その特性を知ることが農業を考えるすべての基礎に なるのではないかという思いが強くなった。特に溝口教授の授 業においては、毛管現象にはじまって、「ないところからある ところに物は流れる」という水ポテンシャル等、私たちが常識 で「こうなるだろう」と予測できることを悉く数式で示して理 解をうながしていたのでわかりやすかった。その他授業で見た 様々な現象を理解するための実験器具(?)や、研究に使って いる実験機材はとてもシンプルな物で、改めて実験というのは ただの試行にすぎず、得られた結果から議論をくみたてていく 頭脳が一番重要なのだな、と感じた。
       特に土壌の問題というのはどんな場所においても農業に直結 する問題であり、また土壌を調べようとすればそこにかかる力 の問題や、生息する微生物の問題、水循環の問題など多くの付 随する条件を無視することはできない。それをふまえた上での 溝口教授が最後の授業の際おっしゃった「農学をやる人間はす べての学問を包括して研究をしなければならない」という言葉 が強く印象に残っている。
    【2007/11/29 (木) 13:47】

  31. 正直自分は普段土のことなどは全く気にしていなかった。この授業を受けて土の中にも色々なメカニズムがあり、それを謎解く数式や物理が存在することを知ることができた。 都会人には土壌というものは縁が薄いように思えるが、農業に従事している人たちには大切な問題だし、農作物は私たちの食生活と密接に関係しているのだから疎かにすることはできないであろう。 授業の中でおもしろいと思ったことは、土の統一理論である。いってしまえば単なる土に対して、理論的な挑戦をするというのはなかなか興味深いと感じた。ただし小難しい数式などはあまり理解できなかった。
    【2007/11/29 (木) 14:51】

  32.  先生の講義を聞いて思ったことは、本当に楽しんで研究をしているんだな ということです。面白おかしいエピソードや、土壌に関する知識について話す 時の切り替えがうまく、楽しく講義を聴くことができました。
       また、講義の内容も驚くことばかりでした。土壌圏の科学といっても机の上 で土の性質を調べるだけなのかなと思っていましたが、実際に現地に行き、 観測調査して特徴を把握したり実際に触れるものなのだと感心しました。 そして、毛細管現象や水の移動の式などを見たときは、こんな場所にも数学 物理など使われているのに驚きました。
       土壌に関して新しい見方を学べたような気がします。そして、人との コミュニケーションも大事だと思いました。
    【2007/11/29 (木) 17:12】

  33.  講義を聴いての全体の感想は、土壌一つをとっても様々な見方があり、非常に興味深いということである。私自身は砂漠化等その他、マクロな視点に立つ環境問題に興味があるが、その問題により十分に対応するためには、ミクロな視点に立った考え方もできることが必要であると感じた。環境問題はその他、社会的、政治的な問題も考慮しなければならず、非常に広範囲の視野を持たなければならない。その視野の一部に土壌圏の科学は役立つであろうと思う。
    【2007/11/29 (木) 18:40】

  34.  私が三回にわたる「土壌圏の科学」の授業を聞いて思ったのは、農学部と言えども、ある対象を深く分析するためには、いわゆる農学的な生物学だけでなく、生物化学や物理学、更には社会学といった学問が必要である、ということです。
       例えば授業では、土壌を分析するにあたって、毛細管現象を説明するために基礎的な力学を用いてましたし、地中での熱の移動を説明するために熱力学を用いてました。さらに発展した研究を行う場合、地中での科学的な反応を見る場合は分子科学的な視点が必要となることが予想されますし、更に環境問題等も加えれば、社会学的な視点も必要となるかも知れません。
       なぜ社会学的な視点が必要になるかというと、土壌の研究を応用する手段としては、荒廃した土壌の回復というのが第一として挙げられると思いますが、実際にそれを行おうとする場合、政策なりビジネスなりという形式で行うことになると思われますが、倫理学、政治学、経済学、国際協力論といった分野が複雑に絡み合うことになると予想されるからです。
    【2007/11/29 (木) 19:35】

  35. 3回の講義は大変興味深かったです。正直な話最初この授業を履修したのはただ単位がほしいためでした。だけど今は土壌についての様々な知識を学ぶことができ大変有意義な授業でした。
      僕が一番印象に残ったのは地表面における熱収支でした。地中熱流量、潜熱輸送量、顕熱輸送量、正味放射量についての公式やフーリエの法則やダルの法則など土壌中の熱移動が数式であらわされるのを知ったときは驚きました。中学や高校で学んだ知識が身近な所で生かされているのを知りました。
      楽しい授業ありがとうございました。
    【2007/11/29 (木) 20:33】

  36. 溝口教授の三回の講義を聞いて思った事は、農学部でも物理的な物事の考え方はとても重要だという事です。初回の講義の、土の保水性や透水性について考える時に始まり、二回目の講義では土壌水の熱力学において、さらには3回目の講義では土壌中の熱移動式を考える時に、高校の物理や教養の物理でやったような考え方をどんどん使っていて、農学部に来たから物理学はいらないという事はないと分かりました。僕はあまり数式をいじったりするのが得意ではないのですが、土壌中の様々な現象がちゃんと数式を用いて説明できるという事はとても面白く感じられました。また、そのような理論は、理論単体だけで力を発揮するのではなく、様々なフィールドワークや実験と結びついているのだと感じました。
    【2007/11/29 (木) 21:33】

  37. 僕は、先生の授業は、やりたいことや学生に伝えたいことがはっきりしていて、しかも説明も的を得ていて無知な僕たちでも分かりやすいとても有意義な授業でした。理系の人間なので、やはり土の中の物理学や熱力学の話はとても興味深く、しかも自分の持っていた基礎的な知識が土の中の物理学とつながり理解が深まったときは 軽く感動さえしました。また、現場での実験や現場の人とのコミュニケーションの大事さもとてもよく伝わり、納得しました。自分も高校から大学へ進み、2年近く過ごす中で、何かを成し遂げるときのコミュニケーションの大切さを、部活動の中やイベントの企画、運営でとても感じており、とても先生の意見に共感しました。授 業のテンポもよく、言いたいことがはっきりしているので聞いていて興味をどんどんそそられるいい授業でした。社会は先生のような研究者を必要としているんだと思います。これからも研究頑張ってください。自分も漕艇部に所属しながらではありますが授業、そしてテスト頑張ります。
    【2007/11/29 (木) 21:54】

  38. 出席簿を紙飛行機にして2階席に投げていたのがスゴイと思いました。
      自分は生物・環境工学専修で、毛管上昇とか水ポテンシャルなど物理の話は土壌物理学の授業でも出てきたが、溝口先生の説明がわかりやすかったのでとても助かった。 が、物理っぽい内容よりも先生の話のほうが面白かった。フィールドでの研究がすごく面白そうだと思った。全身ゴアテックスでツンドラの地面を掘るとか、低気圧が来るまで湿原でガスの発生を観測するとか、魚を焼きながら実験をするとか。
      最初の授業で先生が「研究者はデータが命!」と言っていたのが格言のようでかっこいいと思った。さらに先生のように遊び心やユーモアを大切にしたいと思った。 自分は室内にいるよりもフィールドで何かしたいと思っていたので、すごく興味深かった。農学部でこれから勉強していくことが楽しみになった。
    【2007/11/29 (木) 21:54】

  39.  まず、何より印象に残ったのが、先生がとても楽しそうにお話しされていたことです。やっている人自身が、楽しんでいるのが伝わってくるので、講義を受ける側も楽しく聞くことができたと思います。
       霜柱の話について、どうしてあんなふうになるのか前から少し気になっていたので、土の中の水が集まってきていると知って驚きました。漠然と空気中の水と土の表面が凍っているのかな、くらいにしか考えていなかったので。この講義以外でも何回も聞くことになる「接触角」についてはじめて聞いたのもこのときでした。
       地温の話については、まだ深いところまで学んでいないからかもしれませんが、農学部で扱う数式は、意味を考えれば分かりやすいものが多いと感じました。熱移動のいろいろなデータをもっと見てみたいです。あと、秋刀魚が食べたくなりました。
       個人的に、お役所の公開資料の話も興味深かったです。  先生の講義を受けて、研究者もおもしろそうかもと思いはじめました。
    【2007/11/29 (木) 21:56】

  40. 三回の授業を聴いて思ったことですが、面白かったです。ここだけ押さえとけばあとは聞き流して大丈夫といった授業の進め方、語り口調など大変ユニークでした。90分間飽きませんでした。いつも授業中に寝てしまう僕が、270分間聴き入っていました。難しい話は毛嫌いしてしまう僕ですが、これだけならと思ってなんとか理解することができました。毛管現象や凍結と蒸発現象のアナロジーなど、実際に身の回りで起こっていることを取り上げ、図なども交えながらわかりやすく解説する。大学の授業ではなかなかないものでした。生徒の側に立って授業をなさっているなという印象を受けました。そして、自分の中で確固たる物をもっていらしゃるなと思いました。この「土壌圏の科学」は興味津々でとったものではありませんでしたが、土壌に対する関心が湧いてきて今や楽しみにしている授業の一つになりました。また先生の授業を受ける機会がありましたら是非受けてみたいなと思いました。
    【2007/11/29 (木) 22:20】

  41. 三回の授業とても興味深く、面白かったです。
      毛管現象という言葉は聴いたことがありましたが、具体的なイメージはつかめていませんでした。ストローで水を吸い上げるtことが、毛管現象の例の一つだと初めて知りました。よく考えたら、下から上へ物体があがるのは重力などを考えると、不思議なことですが、水ポテンシャルの自然現象だと説明することで、少し納得がいきました。しかし、水ポテンシャルのイメージが弱冠わかりにくいところがあります。もう少しで調べてみて、イメージをしっかりつかみたい、と思います。また、霜柱は、土中の水分が単純に冷たい外気に冷やされて、0℃になり、氷になったものだと思っていましたが、この授業で違うこと知り、複雑だが式で説明できることに驚きました。霜柱だけでなく、土中の他の反応も、反応式にあらわせそうだと思いました。例えば、土の表面に出来る、霜はあらわせないでしょうか。霜は、土の表面の水分なので、水が上向きに移動する現象ではないので無理でしょうか。また、霜柱はなぜ柱になってしまうのでしょうか、土中で一面に連なった厚い氷の板になることはないのでしょうか。
      また、漬物がなぜ腐らないのか昔から疑問でしたが、これも水ポテンシャルが関係していて、溶液の溶質(塩)が水を束縛してしますので、雑菌が水をもてないのが理由だったのには驚き、新鮮に思えました。雑菌が水を持ってしまうことによって腐りやすくなってしまう食品は、保存料を加えるのではなく、水を束縛してしまうことで腐食を防げないのでしょうか。そもそも保存料の原理がわかっていないので、そのことも調べてみようと思いました。
      また、森林火災についてですが、湿った土での森林火災は深部には影響が少ないのだから、山火事の危険性が高い森の土壌の湿り具合を調べて、事前に火災が起こる可能性を把握する、という対策は、コストや、森林の面積の大きさを考慮すると現実味のないものなのでしょうか。
      土壌という今までの私では生物的な視野でしか捉えていなかったものを、物理的な視野で眺めてみると、今まで考えもしなかったものを知ることができました。エネルギーやポテンシャルという言葉はなじみが薄かったのですが、少しずつ理解できてきた気がします。
    【2007/11/29 (木) 22:44】

  42.  難しい理論をわかりやすく話していただいたり、先生の体験や実験の話などが聞けてバランスよく授業が楽しめました。個人的には土壌中の熱移動式、フーリエの法則がとても興味があって、とてもおもしろかったです。農学では物理の知識があまり役にたたないかと残念に思っていましたが、難しい理論も多くでてきて、うれしく思っています。ただ土壌にもこういったきちんとした理論や式でもって考えられることに非常に驚きました。
       土壌の塩類化に関しては科学的な解明もさることながら、行政の対応が大きな部分を占めていることが気がかりで、やはり科学者と行政がうまくコミュニケーションをとることが重要だと思いました。行政はともすると、企業の利権などにとらわれ、きちんとした対応がとれないことが多く、そのことによる対応の遅れから被害が拡大したりしているので、科学者はそういったことも考慮して、行政との関わり方を考えていく必要があるとおもいました。かといって、科学者自身が行政とうまくコミュニケーションがとれないことも多いかもしれないので、科学者と行政の間に何らかの第三者機関を置いたりするのも いいかなと思います。
       先生の授業を聞いて、フィールドワークの大切さがおぼろげながらわかってきた気がします。理論ばかりに偏ったりせず、理論とフィールドワークをいいバランスで組み合わせることがいい研究につながるのだろうと思いました。
    【2007/11/29 (木) 22:52】

  43. 私はこの講義を受けるまで、土について考えたことなどほとんどありませんでした。私だけでなく、多くの人がそうだと思います。私たちが立っている下にはいつも地面がある、というのは当たり前のことすぎて、そこにたくさんの科学があることなど思ってもいませんでした。私は物理のブの字もわからないような学生ですが、地面の下に広がる世界の現象はとても興味深く、楽しく受講できました。そして、当たり前にそこにある土壌が私たちにとって必要不可欠なものであること、気づかないうちにその力を弱めてしまっていることを学ぶことができました。土壌の悪化は、私に今日明日被害をもたらすわけではありませんが、少しずつ確実に私たちを脅かしていきます。私の専修ではこれからはほとんど土壌について学ぶことはないと思いますが、地面からの恩恵を受けて食事ができること、アスファルトの下にも地面があることを思い出したいと思います。短い間でしたが、楽しい講義をありがとうございました。
    【2007/11/29 (木) 22:59】

  44. 僕は土壌について今まであまり学習したことがなく、どのようなことをやるのかさえわからずに受講したのだが、先生の説明を聞き、土壌の中での水の動きに対して興味を持ちました。僕自身文系出身ということもあり、物理などほとんど触れたことがなかったのですが、なんとなく構造はつかむことはできたと思います。先生の授業を受講していて一番印象に残ったことは、フィールドワークです。農学が改めて机上の学問だけではなく、実践に即した学問であるということがわかりました。来学期からの農作業実習や、フィールドワークをする上で、その意義がわかったような気がします。僕自身ももっと土壌について深く勉強してみたいと思いました。
    【2007/11/29 (木) 23:01】

  45. 水ポテンシャルについて初めはなぜこのような概念が必要なのかと思ったが、ある土のなかの水を減らすのにどれほどの仕事を必要とするかで、その土の種類などがわかるのでなるほどなと思った。あと自分は野球をしてるので良くわかるが、グラウンドの水はけの程度などにも繋がってくるのかなぁとも思った。 熱移動の話については体積含水率を調べることで普段ニュースなどで見る森林火災の被害の程度がわかるという事に感動した。 農学という分野では特にそうかもしれないが、環境問題と経済発展のバランスというのは非常に難しいと思う。今地球上で騒がれている異常気象というのはその原因が人為的なものだけでないにしろ少しは関係しているだろうから、これから人間は経済発展を目指すに当たり少しでも環境に優しい方法をとるべきであると思う。なぜなら地球はそこまで脆いものでないにしろ万が一地球が壊れるような事があったら終わりだし、そうする事が地球で生きている人間の義務でもあると思うからである。「何かを得れば、何かを失う」とは良く言うが「何も失わずして、何かを得る」といった一見不可能のような事がこれからの人類におけ る様々な研究の究極のテーマなのではないかと思う
    【2007/11/29 (木) 23:08】

  46.  土壌権の科学の授業を取り、まず一番感じたことは、土壌というものはいま大変大きな問題を抱えているのだということでした。いままでは、あたりまえに存在するものでまったく気にもとめていませんでしたが、こんな身近にある土壌がそのような状態にあることを知り、大きな驚きを感じました。確かに以前から過放牧、砂嵐、塩類集積の話などは耳にしていましたが、そのようなことは地球のほんの一部で起こっていてその一部分の問題と思い込んでいました。しかし、この授業を受けてみるとそれらの問題は想像以上に深刻で広範囲に広がっていてもはや他人の問題ではないとわかり、自分の今までの考えの浅はかさを知ることになりました。現在、土壌の問題には砂漠化だけでなく数多くの問題があり、解決しなければならないことが山積みなのだと思いました。また、人間一人一人がしっかりと環境問題に向き合ってそれらの原因と出来事をしっかりと把握し、常に環境を気にかけることをする必要があると思いました。
      次にこの授業をうけ感じたことは土というものは非常に複雑な仕組みを持っているのだ、ということでした。いままで毛管現象や土壌が多孔質体だということも知りませんでした。身近にある土の現象や本質を知り、自分の知識となっていくことが非常におもしろかったです。土壌圏の科学の授業で大変土壌分野に興味を持つことが出来ました。これからも土壌の勉強を続けたいと思えました。
    【2007/11/29 (木) 23:16】

  47. 教官が実際の研究内容を交えながら話をしてくれたので、よりイメージが湧きやすく聞きやすかった。毛細現象や透水性などを簡単な数式で説明できてしまうことに驚くと同時に面白く思った。また、フィールドサーバによる農地情報モニタリングシステムの導入を積極的に行っているとの事で、研究者は事象の解明だけでなくその応用をどうするか考えねばならず、また積極性も必要であることを学ばせてもらった。
      三回の講義において、各講義に興味をもてる事柄や新しい情報が少なくともひとつは得られたので、受講してよかったと思う。
    【2007/11/29 (木) 23:38】

  48. 水ポテンシャルと聞いて、初めはこの水ポテンシャルと土との間にどのような関係があるか想像もつかず意味不明だったが、授業聞いたりプリント見たりして理解したところ、ある土のなかの水を減らすのに仕事の量がどれだけいるかによって、その土の種類などがわかるということが分かり、なるほどと思った。水ポテンシャルが分かれば、その土の性質が分かり、土の水はけのよさなど、いろいろと実用的に利用されていいのではないかと思った。
     熱移動に関して、これも何か実用的なところにつながるのかなと思っていたところ、体積含水率を調べることで森林火災の被害の程度がわかるという事で、役に立っているんだと感じた。
      環境問題について、最近よくおこる異常気象や、異常気象に伴う様々な怪奇現象があるが、その原因はやはり人間側にあると思う。第二次世界大戦後、日本は急速に経済発展をとげたがその一方環境に関して全く問題にせず、そのせいで今のような状態になっている。日本だけでなく、他の国の先進国も同じようなことをしたため地球全体がおかしくなってしまった。これからまだまだ人類は(特に他の国の発展途上国は)経済発展を目指すだろうが、環境にも十分配慮すべきだと思う。なぜなら地球が破壊してしまっては元も子もないし、そうやって自分勝手にやっていてはまた戦争が起こり、結局地球の破滅につながると思うからである。ということで、地球の環境のことを考えれば必然と世界各国と協力しなければならず、そうすれば戦争なんか絶対におこらなくて非常にいいと思うのですが。
    【2007/11/29 (木) 23:39】

  49. 3回の講義を通して最も印象に残ったのは霜柱の話、メタンガスの話です。霜柱のでき方はとても興味深かったです。霜柱について不思議を感じたことはなかったけれど、よく考えれば柱状に凍る現象は不思議です。水ポテンシャルの低下による水分移動が起きていると知り、納得するとともに、疑問を持てるかどうかで研究が始まるかそのまま通り過ぎてしまうのかが決まるのだと思いました。低気圧とメタンガスの噴出の関係は、測定は大変そうでしたが、予想と測定値がぴったり一致していて面白かったです。大地も大気も、自然は全て関連しあってひとつの地球なのだとしみじみ感じました。どちらの研究においても、フィールドワークによって新たな興味が発見されて研究に発展しており、ここにフィールドワークの重要性があるのだと思いました。研究を楽しみ、人とのコミュニケーションを大切にする姿勢は忘れずにいたいです。先生の霜柱の研究のように、私も研究人生をはじめるきっかけになるような運命の研究に出会えるよう、アンテナを張っていようと思います。
    【2007/11/29 (木) 23:51】

  50.  土壌の世界なんて今まで意識して見たことなんて一度もありませんでしたが、この講義で単に意識的に見ることだけでなく、数式による評価などで科学的にも見ることでいろいろな新しいことを知ることができました。  霜柱の出来方や、なぜその時に水は上方へ移動してしまうのかなど知識として新鮮なものばかりでした。実際に教壇で実験を見たりして視覚的に捉えることができておもしろかったです。
    【2007/11/29 (木) 23:52】

  51. 正直はじめは空きコマだからとってみただけで、さして期待をしていたわけではなかった。しかし、各回様々な話題で土壌についての話が聞け、土壌も奥が深いのだなと思った。
       一番驚いたのは霜についての話だった。冬になると必ず見かける、というか踏みつける霜だが、なんで地表にできるのか考えてみたことはなかった。改めて考えてみるとたしかに不思議な現象なのだが。しかし、蒸発するのと下ができるのが同じ原理だというのは、思いもよらなかった。
       その他、多くのフィールドワークの写真や体験を見聞きすることができたのは楽しかった。研究室での生活というものが良くイメージできないので、このような情報はとても参考になると思う。
       また、溝口先生の語り口もわかりやすく、引き込まれやすかったので、より講義に集中できたと思う。
    【2007/11/29 (木) 23:53】

  52. 講義を聴いて感じたことは、フィールドワークの重要性である。理論や、法則、式などに実験で得られた生のデータを結合させることで、自然をよく理解することが出来ることがわかった。数式だけで自然が表現できるのかという思いがあったが、うまく利用すれば理解を助ける道具になるのだと理解した。自然のことについてみるのならば、直接的にその自然と関わらなければならず、フィールドワークをしなければならないだろうとは感じていた。このことについての具体例が挙げられてきたのがよかった。このときに現場でフレキシブルに道具を作成したりするというところが印象に残りました。 また、土壌における水の移動ということについて学ぶことで、土壌という一見すれば静なものが実はかなり動の部分があることが理解でき、興味深かった。
      農学部という学部は広い範囲を扱っている印象を持ち、特に環境問題対策という点などでそれらの知識の融合が必要なのだろうと感じた。その一端を占める土壌に関してこの授業を通して様々なことを知れた。専門性の特に高くなってくる三年からの授業の前にこのような方面からの見方が出来たことはよかった。様々な現象が複雑に絡み合っている自然に、これからかかわっていくこととなるだろう。土壌は一見自分の専門とは違うが、深いところでつながっていることを感じ、自分にとってとても意義のあるものでした。
    【2007/11/30 (金) 0:04】

  53. 先生の三回にわたる講義を聞いてまず一番感じたことは、「先生いい人だなあ」。その理由は他でもなく、テスト問題に出そうな所を前もって教えてくださったからだ。それも先生担当分の講義の一回目に。テスト内容が分かれば授業に出ないでいいやと考える不届きな生徒が大勢いてもよさそうなものの、講義に参加する生徒はほとんど減らなかったように思う。それは先生の講義の中に、テストに出る出ない関係なく生徒たちにとって惹かれるものがあるからであろう。先生ご自身も生徒を引き付けて、私たちが今まで知らなかったことを少しでも多く知識として蓄えさせ、また今後専門性のある勉強を進めるにあたる上でのあり方などを伝授しようというエネルギッシュな強い思いが感じられた。私もその魅力に惹かれた一人だ。物理が嫌いな私にとって、土壌物理学という言葉を聞いただけでうんざりしているはぜだったのだが、なるほど!と理解できれば苦にならないどころかおもしろいじゃないか、と思った。よく、特に文系の友達に、土壌を勉強しているというと、「何それ?何やるの?おもしろいの?」と不思議がられるが、今度会ったら自信持って内容を説明して、言おう。「おもしろいよ」
    【2007/11/30 (金) 0:10】

  54. 僕は今までフィールドワークに興味がある無い以前に、それを意識した事も無かったような気がします。しかし今回の講義を受けて、フィールドワークの面白さに少し触れる事が出来たような気がします。わざわざ現地に赴き様々な観測を行ったりするのは、時に多大な労力を要する事だと思うけど、それを感じさせなかったというのもこの講義の興味深い所だと思いました。生徒を飽きさせない授業の進め方はとても工夫が凝らされていると思うし、それを可能にしたのは、偏にこの研究分野に対する先生の愛なんだと僕は勝手に解釈しました。
      唯一つ、数式嫌いの僕が抵抗感を覚えたのは、毛管現象を説明する際の公式でした。しかし、水はポテンシャルの高い所から低い所へと移動するだとか、土の中の水が繋がっているからこそ水が上昇出来るといった事は、別の講義で習った植物体の中の水の移動と基本原理は全く同じだったので、複雑な数式も理解しようという姿勢にはなれました。
      今まで僕は、土と聞けば真っ先に農業を思い浮かべていましたが、土壌圏の科学というのは建設業や環境技術にも応用されていると知り、とても興味深かったです。
    【2007/11/30 (金) 0:12】

  55.  もともと、土壌圏の科学にはあまり興味がありませんでしたが、溝口先生の講義はとても面白いと感じました。とりわけ興味を持った話しは、フィールドワークに関する話しです。様々な地域を巡り、研究する過程を楽しむということは、研究者として理想的な在り方だと思います。
       三回の講義を聴いて、将来的に学者としての道を進むならば、やはり楽しめる研究対象を見つけ、それに没頭していけたら素晴らしいと感じました。
    【2007/11/30 (金) 0:12】

  56. 地球の表面に平均で厚さ、約18pの土壌が存在する。厚さ、1pの土壌ができ るのに約300年の歳月をようする。にもかかわらず、人間によりここ最近の2 0年で約20億haもの土壌が劣化している。地球の表面は500億haであるから 、約1/25の地表がここ20年で劣化していることになる。劣化の主な原因と して挙げられるのが土壌侵食、土壌の酸性雨、土壌の塩類化などである。また、 モンゴルや中国の過放牧も原因となっている。では、土壌の塩類化はどのように して起こっているのであろうか?降雨量<蒸発散量となることは一般的にありえ ないが、地下水性が高いとありえる。その場合、塩害が引き起こる。塩類に強い 植物を植えようという動きもあるが、塩害に対する直接的な解決策とはなってい ない。上に記したように、現在、話題の地球温暖化以外にも、土壌においても多 くの解決すべき問題点が存在する。土壌圏の科学に携わる者にとって、現状の世 界の土壌劣化の深刻さを伝える、土壌劣化のメカニズムについて未解明の現象に 対する最先端の研究の推 進、土壌劣化に対しては科学だけでなく、社会・経済・政治の力も必要であるこ とを主張することが重要であると考えられる。
    【2007/11/30 (金) 0:19】

  57. 土壌について興味を持ったことは、この授業まで一度もありませんでした。 授業を履修したのも、6類の飲み会で酔って大変面白い話をしていた(笑)溝口先生が授業するというので、それを楽しみにして取った程度のことです。
      ですが、宮崎先生や溝口先生の授業を受けて土壌のことについてかなり興味を持てました。
      まず、土壌の劣化ということ事実自体は知っていましたが、実際に何が起きているのかということは全く知らず、具体的に知ることが出来たのは今回の授業が初めてでした。
      また、それらを物理的に解き明かすというのに驚きを覚えました。
      僕は、物理を高校でほとんど勉強していないので、物理の数式的に問題を解析すると聞くだけで拒否反応を示していたのですが、この様に実用してみると、案外面白いものでした。
      そして、先生が、「農学をやるならば、物理も生物も化学も苦手だなどと言わず全て知らなければならない。」と言っていたのにも感銘を受けました。
      この授業では、先生方が僕達に「土壌に興味を持ってもらおう。」「農学を研究していく上でこう考えて言って欲しい。」ということがとても伝わってきて、履修して非常に良かったと思います。
    【2007/11/30 (金) 0:34】

  58.  この講義では毛管現象や土壌での熱移動などの土壌中の現象のメカニズムや研究や問題に対するアプローチの仕方を学んだ。土壌中の現象はミクロな視点で解明されており、毛管現象では水は土と土の間の微小な空間にあり、その隙間を移動する。また、凍結、乾燥現象を考えるのには水ポテンシャルという概念を導入してそれが低下する方向に水は相変化すると捉える。状態変化に対して、ポテンシャルを用いて考える手法はこれまで学んできた物理学や熱力学の考え方に通じるものがある。
       また、土壌の研究ではデータを取るときに、実際のフィールドで試行錯誤することが求められる。無論、フィールドサーバのように遠隔操作で定期的に一定の情報を得ることも可能だが、現地に赴きその場で必要とする情報は何か、その情報を得るためにはどのような装置、方法が取れるかなどを判断する。ときにはその場で必要なものを調達する柔軟性も求められる。また、そこにたどり着くまでに予算の獲得や、与えられた予算を使い切るような分配などもきちんとこなさなくてはならない。
       実際の研究ではまず何を研究するか決めなければならない。自分の興味のわいたものを突き詰めるのか、それとも現在起こっている問題に取り組むのかなど動機は様々にある。しかし、どのような動機であれこれからの研究の過程ではその研究がどのように社会の中で関わってくるかを考えなければならない。21世紀における農学の分野での研究はバイオマスなどの地球温暖化への対策や食糧問題や水不足、気候変動からの生態系の保護など持続的な発展が望めるものが期待されている。地球温暖化などの問題は手遅れになる前に充分な予測を立てて、行動を起こし、常に観測と評価を続けていくことが肝要である.一方で世間ではこれらの問題の知名度こそあるものの関心が高い問題ではない。これらの問題に関わっている研究者から世界の土壌や農業がどのような状況に陥っているのか正しく伝えること、そのためには政治や経済まで含めた協力が必要なことを伝えていくことが今後ますます必要になってくると思われる。
    【2007/11/30 (金) 0:36】

  59.  私が3回の講義を聴いて考えたことは、研究には疑問を持つことが一番重要なことなのかなということです。
      「霜柱はどうやってできるのか?」に始まり、実測データをとり、また新たな疑問が生まれ、それを数学的、物理的に解明していく。
      そんな流れで、最初の疑問のみならず、さまざまな物理現象の謎が解き明かされていく、そんな理想的な研究の例を体験できたように思います。
       又、出席表の紙飛行機や、七輪での焼き物計画等、常に笑いを絶やさないそういったゆとりのある心でいることが、純粋な疑問を持つためには 重要なことであるのかな、と思いました。
    【2007/11/30 (金) 0:40】

  60.  溝口先生の講義は農学部に入ってから生物系の授業ばかりでマンネリしていた中で物理学を使った農学の講義を受けることによって新鮮さを感じるとともに自分のやりたい分野が分かってきたような気がします。特に霜についての話が面白かったです。来年の土壌物理学が楽しみです。
    【2007/11/30 (金) 0:45】

  61.  土壌の話は普段あまり聞くことが無いので大変参考になりました。特に、農学部のほかの授業ではあまり扱わない数式を交えた毛細管現象の話などは大変興味深かったです。他にも講義の感想をいろいろ書こうとは思ったのですが、他の方と大分内容がかぶりそうなので省かせていただきます。兎にも角にも、スライドや実体験、数式を交えた講義は大変分かりやすく、参考になりましたありがとうございます。自分は公務員志望だということもあり、様々な知識を取り入れようと考えています。そんな中で普段はあまり考えない(その割りに重要な)土壌の科学や現象を学べたことは良かったと思います。
      ※都合一回欠席しているため、レポートの内容を考慮しなくてかまいません。ただ、授業内容が土壌について考えるきっかけになったということに感謝して送信させていただきます。ありがとうございました。
    【2007/11/30 (金) 0:43】

  62. 今まであまり深く考えたことのなかった霜柱のできる仕組みについて、毛管現象や水ポテンシャルなど、科学的に理解することができ、とても興味深かったで す。数式など詳しくはあまりよくわかりませんでしたが、そのような物理的な面からの土壌の研究の話を聞くのは初めてだったので新鮮でした。また、環境問 題に対する研究手法についての話もとてもためになりました。
      なぜ霜柱ができるのかという何気ない疑問を卒論の研究テーマに選び、それが現在の先生につながっているというのがすばらしいことだなと思いました。私も 身の周りの現象を当たり前のことと思わず、ささいなことでも疑問に思い追求していける人間でありたいと思いました。
    【2007/11/30 (金) 0:49】

  63. 溝口先生の3回の講義は毎回とても興味深い内容でしたが特に印象的だったのは沼の底からのメタンガス噴出の話でした。メタンの泡が大気圧の低下と共に発生することを解明したことによってメタンの排出量測定は天気について考慮しないといけないことがわかり、素晴らしい研究だと思いました。またフィールドワークについての講義も写真などが多く紹介され、とても興味深かったです。とても聞きやすく、楽しい講義だったので同様の講義があればまた是非受けてみたいと思っています。
    【2007/11/30 (金) 1:08】

  64.  3回にわたりご講義下さり、ありがとうございました。
       自分にとって印象深かったのは(土壌とは直接関係ありませんが)、フィールドワークの重要性についてです。現在はGISなどの情報システムが急速に発展したことにより、研究室から出なくとも膨大な情報量が容易に得られるようになっています。それでもやはり実際にフィールドに出てみなければわからない事柄というのは依然として存在し、そういった生の情報のほうが得てして重要であるということが間々あります。また、フィールドワークによって得られた目的と無関係なように思えるデータが後々思わぬ形で結びつきあい、研究を飛躍させる可能性を秘めていることも何となくわかってきたような気がします。  そもそも自分は、農学全体の目標はやはり最終的にはフィールドへと還元されるべきものであると考えており、フィールドワークなしにそのようなことを行うのは到底不可能であるともいえるでしょう。
       先生の講義で学んだ土壌に関することがすべて自分のこれからの進路に関わってくるかどうかはわかりませんが、現場で調査することの重要性はどこに行っても(もしかしたら農学以外でも)不可欠であり、忘れないようにしたいと思います。
    【2007/11/30 (金) 1:17】

  65. 溝口先生の授業は、残念ながら3回中2回しか出ていません、すみません…。それでも、先生の授業で初めて知ったことも多かったです。自己紹介で自分のダイエットの記録を見せたり、出席票を2階席に回す時にわざわざ紙飛行機にして飛ばしたりする(しかもちゃんと2階に届く)というチャーミングな印象もあり、授業の内容に入る前からこちらを聞く気にさせるのもとても上手な先生だと感じました。
      講義の中で印象に残っているのは、フィールドワークの大切さと毛管現象についてです。実験室にこもるのではなく、実際に自分の足を運んで様々なことを感じ取り、研究に結びつける姿勢はとても大切だと思いました。毛管現象については、理論的な説明を聞くのは初めてだったので一瞬身構えましたが、先生の説明がわかりやすくおおいに納得できました。先生に教えていただくまで、霜柱は氷柱と同じように上から水が垂れてきて出来ると思っていたので、単純に驚いた、というのもあります。
      先生の講義を聞くのはとても楽しかったで、あと1回の授業に出ていたら教壇での実験も見られたのかなと思うとちょっと悔しいです。ありがとうございました。
    【2007/11/30 (金) 1:19】

  66. 3回の講義非常に楽しく聞かせていただきました。
      まずなにより感じたのは、駒場の講義より楽しい、ということです。やはり教養というのはどこかぼんやりとしていて、数学、物理、化学、実験などやっていても、高校の授業の延長上という印象がぬぐいきれず、大学入学前に抱いていた大学のイメージとは大きく異なっていました。それは、個人的に大学というのはやはり専門色がつよく、将来進む道に直結していくものだと考えていたからだと思います。 そんななか、農学部に進学し、多くの興味深い教授、講義に出会い、非常に日々が充実しております。
      もともと、土壌などというものにはほとんど興味がありませんでしたが、講義を受け、農業、また環境において根幹を成すものだということが身にしみて理解できました。 また、このような講義を受けていて、つくづく感じるのは、数学的理解、物理的理解など、専門分野といえども、非常に多くの知識をもち、各分野について深く理解してなければならないということです。これまでの学問の積み重ねがあってこそ、農学、土壌に関しても、より深く、根本的な理解をすることが出来るということです。
      より広い視野を持ち、現場に出て、これから農学に取り組んで生きたいと思います。
    【2007/11/30 (金) 1:21】

  67. とても楽しく興味深い授業でした。「難しいのはここだけだから」や「今日はここだけ押さえといて」と言ってくれると、 難しいけどここだけは頑張ろうと集中できるのでありがたかったです。また、説明自体も丁寧で非常に分かりやすかったです。
      “研究者として必要なものは体力とユーモアだ”という言葉が特に印象に残っています。どんな環境でも適応して研究を続けられる体力と、和やかな雰囲気で周囲と研究をやれるようなユーモアを僕も身につけられるようになりたいです。
    【2007/11/30 (金) 1:29】

  68.  土は私にとってもかなり身近なものであるのに、今まで、特に物理的に考えてみようと思ったことはなかった。ただ、「どうして赤玉土の粒は粉々にならず、粒の形を保っているのか」とか、「どうしてこの土はかなり強く握ってもすぐに崩れてしまうのか」とか、園芸が趣味であることもあって、土の保水性や通気性について表面的に考えてみたくらいだった。今回の講義を通して、科学の一分野として土壌をみると、そこにはやはりたくさんの数式が存在し、踏み込んでみようというほどではないにしろ、とても興味深く思った。数式自体には親しみを感じたりはできないが、その数式が表す世界が、とても身近な感覚として捉えられるものが多く、これが農学のよさだと思った。
       また、地温変化と土の深さに関して、感覚的に土の中に何かを保存する昔の人の知恵はすごいなぁ思った。今でも、湿度の要素も大きいとは思うが、地下で生ハムを造っていたり、ワインを保存していたりと、まさに生活と密接に関係していてとても興味深く思う。
       特に、湿地からのメタンの排出量と低気圧の接近の関係は興味深かった。まさか、低気圧の影響をあんなにもダイレクトに受けているとは思いもしなかった。しかも、それを実際のデータとして得るには、かなりの努力が必要なのだという、まさにフィールドワークの実際を知ることができて興味深かった。メタンだけでなく、いろいろな推測データが身の回りに溢れているけれど、それらの不確かさを改めて感じることになった。
       森林火災も、農地の塩害や土壌劣化も、シベリアの永久凍土も、砂漠化も、地中からのメタンも、今まで土壌の科学とこれらを結びつけて考えてみたことはなかったけれど、新たな視点が見出せてよかった。
    【2007/11/30 (金) 1:33】

  69.  まず、最初に、水が上向きに移動する毛管現象には驚きました。水が上に移動するなんて考えたこともなかったからです。そして、ふと考えました。水の上向きへの移動はいつでも同じか、ということです。つまり、ある土壌に横から水が入ってくるのと、地下から水が来るのと、上から降ってくるのとでは、同じように毛管現象が起こるのか、ということです。これは実験してみないとわからないと思います。
       また、土壌の塩類化にも興味を持ちました。そしてふと思いました。塩類化が騒がれているのは、アメリカ中部やインドが多いが、日本でも起きているのか、そして、土壌の性質や地形、人為的行動によって塩類化はどう変化するのかということです。調べるべきことが多く、途方にくれますが、土壌の塩類化は、人口増加、そして食料不足が問題になる将来、重大な課題になることでしょう。
    【2007/11/30 (金) 1:38】

  70. この講義は、先生がとても楽しそうに講義しているので、聞いてるこっちもなぜだかわくわくした気分になります。最初は土壌の話が面白いわけはないと、この時間を、はなから睡眠にあてるつもりだったわたしですが、今では先生の授業の魅力にすっかり引き込まれました。もしかしてわたしは、土に興味があるのか、と最初は思いましたが、ノートだけ見ても何もわくわくしないので、先生の土壌への興味が、わたしにそう錯覚させているだけのようです。わたしも、先生のように一生かけて研究に没頭できるようなものを見つけていきたいです。
      授業の内容については、丁寧なスライドや実際に実験して見せてもらえるおかげで、分かりやすいです。ただ、文科系の私は、毎回一つずつ登場するあの摩訶不思議な数式に大苦戦しています。
    【2007/11/30 (金) 1:48】

  71. これまで霜柱を目にする機会があっても、どうして出来るかなどはまったく考えたことはなかったが、講義を聞いてなるほど!と思わずにはいられなかった。
      霜柱は水が上方に移動するという一見矛盾しているような現象を伴うものであるという、考えてみれば当たり前の事実すらわたしにとっては驚きであった。そしてもちろん、液状水が氷に相変化したことによって表土の水ポテンシャルが低下したことがその原因であることにも驚き、そして納得させられた。 そこでふっと考えたのが、水ポテンシャルの低下によって生じる水を引き寄せる力は重力よりも強いものであるのか、ということである。水は地球にある以上重力の影響を受けている。その重力の中で、表土の水が氷へと相変化した結果として土中の水が上方へと移動するのならば、水を引き寄せる力は重力よりも大きくなければならない。私が高校で物理を履修していないからかもしれないが、これらの二つの力の大小関係をとても不思議に感じるのである。水ポテンシャルの低下に伴って生じる力はそんなにも大きなものなのであろうか。
      以上のような点について不思議に思っていたら、11月1日の講義でサクションという概念について学習をした。しかし、hの出し方は理解できたのだが、その値が結局何を意味するものであるのかがいまいち理解できず、今でもとても残念である。後日この講義の参考書などを調べてみたいと思う。 生物選択者の私にとってもとてもわかりやすく熱移動の式などが解説されており、大変面白い講義だった。今まで土壌にまったく興味はなかったのだが、この講義を聞いて土壌について新しい視点を得ることができ、実は面白い分野かもしれないと思うようになった。
    【2007/11/30 (金) 2:25】

    hは水ポテンシャルを高さ(cm)の単位で表現したものです。授業中にスライド(表)でも説明しましたが、水ポテンシャルには慣用的に3通りの表記法が使われています。hは「水は高いところから低いところへ流れる」と言っているだけです。(ただし、hはマイナスの値をとることに注意)

  72. 最初、土壌物理学という単語が出てきたとき、自分は物理が苦手なのでなかなか興味がわきませんでした。しかし説明がとてもわかりやすく、すんなりと理解することができたことに正直驚いています。霜柱という冬になるとよく目にする現象が、毛管現象という数式で表すことができることに科学の面白さを感じました。
      「農学部に来たなら、物理も化学も生物も全部できなくてはいけない」という言葉が印象に残っています。農学部で扱う学問は生物や化学というイメージがありますが、それだけでは足りないということに改めて気づかせていただきました。様々な観点から対象を眺めることの重要性を感じました。
       また、研究者を目指している自分には、実際に行われている研究の様子が見られたことはとても興味深かったです。研究=実験室で行うものという自分の誤った固定観念に気づき、フィールドワークの重要性、そして面白さ、奥深さの一端に触れることができたと思います。一口に研究者と言っても様々なタイプがあり、自分はどのタイプかこれからじっくり見極めたいと思いました。
    【2007/11/30 (金) 2:30】

  73. 溝口先生の土壌圏の科学の講義を受けて感じたことは、大学で学ぶためには幅広い知識とフィールドワークが重要であるということです。農経という学科を選択した一つの理由に、実際の農作業実習と農村経済のフィールドワーク実習が含まれていることがありました。机上の論理と実際の現場との温度差というものは必ずあ るだろうと思っているので、先生の話に出てきたどこだったか外国で現地の人と酒を飲み交わすことによって交流が進んだという話はとても印象深かったです。
      フィールドワークは1に体力2にジョーク?と言われていたとなんとなく覚えていますが(違った気も…)、その精神で来年乗り切りたいと思います。
    【2007/11/30 (金) 2:39】

  74. 私は文科三類から進学したのだがすっかり農学部が好きになってしまった。そもそも文系出身なので難しい(?) 式や今までの講義では聞いたこともないような自然の話などが出てくると意味分からんとか言いながらすっかり嬉しくなってしまうのだが、溝口先生の講義はそういった農学部の面白みというのが詰まっていた。前半の理論の部分をなんとなく理解した気になって、それから実際のフィールドワークを基にした講義を聴く 。そして最後に語られるいかにその研究の結果を実世界に生かすかという心構え。なにより実地調査が楽しそうなのが良い。
      土壌というのは農業、あるいは自然を考える上で基本的なものである。過剰な耕作や灌漑が土壌を疲弊させる、あるいは肥沃な土地とはどういったものかという類の講義は数多くあれども、この講義のように土壌自体に注目?して研究する講義は受けたことがなかったので新鮮であった。確かに土がいったいどういう性質を 持ち、どのように変化、活動するかを知ることは大変意義のあることである。土を深く知ることで、過剰な耕作も過剰ではなくなるように出来る日がくるかもしれない。あるいはより効率よく灌漑することが可能になるかもしれない。講義を聴いている限り土壌のことを我々はまだほんの少ししか知っていないようである。自作の測 定器と基本的な理論を持って実地へ出かけ、より豊かな生活を送れるような世界に役立つ報告をする。農学は実学だ、とおっしゃられた先生がいたが、そこが農学の素晴らしいところであると私も思う。
    【2007/11/30 (金) 3:47】

  75. 「3回の講義を聞いて考えたこと」  毛管現象に関する計算式を見て、改めて農学には高校で習う物理・化学・生物・地学という理科4科目全てが必要であることを感じた。
       水が上向きに移動する毛管現象では、表面張力・水ポテンシャル・相対湿度など様々な要因が重なり合い起こる現象ということも分かった。上向きの力と下向きの力がつりあい、水は土の隙間をめぐり上昇してくる。乾燥過程と凍結過程において、液状水が水蒸気に、氷に相変化する真反対の現象であるが、水ポテンシャルが低下するという点では共通するということも理解できた。
       地表面の熱収支では、地中熱・顕熱・潜熱が合わさることで地表面に入るエネルギー・正味放射量がはじきだされる。熱移動式では偏微分方程式が出てくるなど数学の要素が多分にあった。
       現在の土壌環境では、土壌浸食・塩類化・湛水化などが過放牧や過耕起によって生じている。土壌の深刻さを理解し、メカニズムを解明する研究を推進することで、アジア・アフリカ諸国での土壌育成が進展することが今後の世界の食料自給や温暖化といった問題を変えていくのではないかと思う。土壌の平均は18cm、1cmの土壌育成に300年かかることも習った。今後の土壌環境により世界は大きく変わっていくのではないかと感じる。
    【2007/11/30 (金) 4:16】

  76. 最初は土にエネルギーやポテンシャルが存在しているという考え方にはなれないためか違和感をおぼえた。しかし学んでいくうちにポテンシャルというものを考えることによって、土の中での物質の輸送や毛管現象などあまりなじみのないことから、水の凍結と蒸発や霜柱、ストローでの水の吸い上げなど普段私たちが生活の中で経験していることが理論的に考えることができるようになるということがわかった。特に霜柱の話に関してはどうして地表付近に固まってできるのかということが、「凍結による水ポテンシャルの低下」という考え方を用いることではっきりと分かりすっきりした。しかしどうして不凍水が存在するのか問うことがイマイチつかみきれなかった。(どうしてなんでしょうか?)また身近な話で言うと漬物の話が印象に残った。漬物が長持ちする理由と、土が保水する原理が同じ「毛管現象」に支配されているということは知らなかった。ただこのとき漬物の溶質(ここでは単純に塩とする)は最初から

           H+      Cl−
            \     /
              H2O

      というように水を介して存在しているはずのHCl溶質にどうやって毛管現象が働くのかがいうまくイメージできなかった。一見もう飽和していて水は含めそうになさそうですが、全く別次元の話なんでしょうか。
      地表面の熱収支に関しては太陽から得て地中に伝わる熱量Gというのが最終的にどこへいくのか気になった。たとえば冬と夏とでは正味放射量は夏の方が大きいはずでGもふえると考えられるが、冬に比べておおくなったGを自然界では同のように処理しているのであろうか。または単純にGは増加せずH,LEのみが増加するのでしょうか。そこがちょっと分かりませんでした。
    【2007/11/30 (金) 9:08】

      そうは言ってません。「毛管現象で水ポテンシャルが低下するように、漬物の場合は浸透圧に由来する浸透ポテンシャルによって水ポテンシャルが低下する。微生物と漬物の間でいわば水争いをしているけれど、この場合でも水はポテンシャルの低い方に移動するという法則は変わらない。」と言ったと思います。土の中に不凍水が存在する理由も同様に、土と氷の液状水をめぐる争奪戦の結果と考えることができます。(三角関係?;いわば「液状水さん、土と氷とどっちが好きなんだ。はっきりしてくれ!」「うーん、でもどっちも好きなの」ってな感じかな)
      ついでに、H+はNa+と書きたかったのですね。

  77. まず最初に、溝口先生が陸上部だったということを聞いて、バリバリの運動会っ子である私は講義に惹き込まれてしまいました。 講義内容も、理論だけやフィールドワークの話だけに偏るのではなく両方が盛り込まれていてバランスがよかったと思いますし聞きやすかったです。 ただ私個人としては実際に先生が体験した話の方が現地の写真などを見せてくださったりしていて楽しかったです。
    【2007/11/30 (金) 10:31】

  78. 初め水ポテンシャルについて理解するのが困難であったが、土 の保水性から土の種類を特定できるということを考えて実感が わいた。普段グラウンドで練習していると雨の日などは土のと ころに水がたまってしまいなかなか下に浸透していかないので 、土質をうまく替えてやれば問題は解決するのだろう。
      熱移動の話については体積含水率を調べることが普段ニュース などで見る森林火災の被害の程度を理解することにつながると いうのに興味を持った。
      環境問題と経済発展のバランスというのは非常に難しいと思う 。今地球上で騒がれている異常気象というのは人間の活動によ るところがほとんどだろうから、これから人間は経済発展を目 指すうえで少しでも環境に優しい方法をとるべきである。なぜ なら地球で生きている人間の義務は地球を守っていくことも含 まれるのであるからだ。
      今学期に農学部の授業をたくさん受けることになったが、農学 というのがいかに地球の今後を考えていく授業であるのかとい うことを初めて知った。まだまだ発展途上の分野も多いのだろ うけれど、人類のこれからを考えたときとても重要なファクタ ーを占めるのは間違いないだろう。
    【2007/11/30 (金) 10:46】

  79. 初回の講義で水ポテンシャルがどういった物なのかよく解らなかったが、次の講義で 再び説明していただいたのが良かった。また、農学部に対して持っていたイメージ通 りのフィールド重視の姿勢が伺えた。特に興味は無かった土壌圏の授業について物理 的に説明してあって興味は持てたが、数式での説明がやや形式的に感じられ、フィー ルドとの繋がりがよく解らなかった。あとは、写真が多くて見てて飽きなかったし、 フィールドの大変さが感じられた。
    【2007/11/30 (金) 10:55】

  80. 溝口先生の授業で一番印象に残ったの土の中の水の移動の話だ。なぜならここをキチンと理解していればテストで20点は堅いと言っていたからだ。僕が授業を受けている立場として言わせてもらうと生徒は先生がギャグを言ったりするよりもここがテストに出るという言葉を発したときになみなみならぬ集中力を発揮するように思える。農学部の授業は出席を取って生徒を拘束しようという授業が多すぎて、生徒が気が向かないときにまで授業を受けさせようとするため授業に対するモチベーションは低いように思える。そのため先生がもし生徒に伝えたいことがあるならこういったことを言うのが大切であるように思えた。
      それは別にして溝口先生の授業は一時間で扱う量も適当だし、理解しやすいものだったように思える。 楽しい授業でした。これからも頑張ってください。
    【2007/11/30 (金) 10:53】

  81.  私は初め土壌に全く興味を持っていませんでした。小さいころ土いじりをして遊んだ以来、土というものにほとんど触ることなく生活してきたからです。あってもなくても同じような気持ちでした。
       しかしこの授業で土に対する考えが大きく変わりました。なぜそこで人間が生活できるのか、なぜそこに植物が生えるのか、なぜそこに水があるのか、今まで当たり前だと思っていたことを、土壌のもつ大きな力に視点を当てて考えるのは、私にとって新鮮で楽しかったです。
       他で「土壌物理学」の授業もとっているのですが、そちらは言葉や数式などが難しくてついつい「土なんて・・・」という気持ちになってしまうのですが、この授業は土壌物理学の入門編という感じで親しみやすく、私の土に対する学習意欲を呼び戻してくれるのもありがたかったです。
       また、溝口先生のフィールド研究のお話(特に台風のときに湿地や水田からメタンガスが多く発生するというお話。他の授業で聞いたことはあったのですが、実際にデータを見たり、測定時の様子を聞いたりするのは初めてでした)、授業の進め方なども大変おもしろく、あっという間の90分間でした。大学の教授や研究者の方は、言い方は悪いですが、研究室の閉じこもって実験して、授業は自分の研究分野をぼそぼそと喋っているイメージがあったのですが、そのイメージを大きく変えてくださった方でした。研究室に入るときに溝口先生のような素敵な先生に出会えたらいいなぁと思いました。ありがとうございました。
    【2007/11/30 (金) 11:31】

  82. 土壌圏の科学ということで、授業を受ける前は、砂漠化や塩害など遠い国での問題についてだろうと考えていました。しかし、実際の授業は、非常に身近な土壌全般の話で非常に興味を持ちやすかったです。霜柱から始まった毛管現象、水ポテンシャルの話や、熱エネルギー収支、熱移動式の話など、理論的な話も、ここが大事ということをはっきり言ってくれ集中して聞くことができ、実際の問題との関連性も意識することができました。ただ、エネルギー収支の話が実際の問題とどうかかわっているのかがすこし分かりづらかったです。土壌の乾燥、砂漠化などに関係してくるのでしょうか。理論の後の、リラックスして聞きなさいと言われたフィールドワークの話も非常におもしろかったです。実際にどのように研究が行われているのか知ることができたのは非常に大きかったと思います。現地の人との交流の大切さやその場で実験器具を作るような柔軟性、研究を楽しもうとする溝口先生の姿勢が良く伝わってきて感銘を受けました。これから自分が何か研究するような時には参考にさせていただきたいと思います。この授業を受けて、土壌に対する見方がすこし変わってきました。あるのがあたりまえのように思っていた土壌が意外にももろいものなのだと知ることができました。農業が土に負担を与えるものであり、日本でも土壌問題が起こり始めているというのは驚きでした。一番身近である土というものについてほとんど何も知らなかったのだと気付かされました。おそらく土壌についての授業を受ける機会はこれからなかなかないと思うので、残りの授業で、土壌についてできるだけ多くのことを学びたいと思います。
    【2007/11/30 (金) 11:55】

  83. 先生の授業はとても面白いです。先生が授業を面白くしようとしてる工夫がはっきりとわかってとても良かったです。表面張力の話を聞いて幼い頃を思い出しました。というのも子どもの頃にコップにお茶を入れてはあふれるぎりぎりいっぱいまで入れて、コップからちょっと盛り上がっていてもこぼれないのを見て「表面張力、表面張力!」と言っていたのです。表面張力が働くことは知っていたのですが、具体的にどういった力がどう加わっていたのかは知りませんでした。 やはり学問は面白く感じるのが大事ですね、勉強勉強と言って最近難しく考えていたように思います。これからはもっと興味を持って勉強するようにします。
    【2007/11/30 (金) 11:56】

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Update by mizo (2007.11.30)